特定技能外国人がすぐ辞める理由とは?早期退職の原因と対策を解説!

外国人雇用
公開日:24.05.24/更新日25.09.03
特定技能外国人がすぐ辞める理由とは?早期退職の原因と対策を解説!

特定技能外国人は一定の技能と日本語レベルを持っていますが、仕事や生活に馴染めず、すぐに辞めてしまうケースもあります。

「すぐに辞めてしまう理由がわからない」「早期退職を防ぐ方法を知りたい」という悩みをお持ちの企業も多いのではないでしょうか。

この記事では、特定技能外国人の早期退職の原因と防止策について紹介いたします。

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特定技能外国人の離職率と退職後の状況

「出入国在留管理庁」のデータによると、日本に在留している特定技能外国人全体に対して、自己都合による離職者数は、制度施行から令和4年11月までの延べ人数で19,891人です。離職理由がわかっている外国人の内、自己都合による退職後の状況は、「帰国」が31.4%(6,061人)と最も多く、次いで「特定技能での転職」が30.3%(5,852人)と多くの割合を占めています。

特定技能での転職を選択した外国人は、日本での生活に問題ないものの、現状に何らかの不満があり、日本国内でより良い就業先を求めて転職していると考えられます。

参考:出入国在留管理庁|論点第2の1関連

特定技能外国人がすぐ辞める理由

特定技能外国人がすぐ辞める理由

特定技能外国人がすぐに辞めてしまう理由として、慣れない生活や仕事におけるストレス、入国前にイメージしていた労働条件や待遇に関する期待が現実と異なり、期待を下回っていた等の理由が考えられます。ここでは、すぐ辞める理由をいくつか紹介いたします。

言語の違いによるコミュニケーション不足

特定技能を持つ外国人は、日本語の試験に合格し、「基本的な日本語を理解できる」スキルを有して日本に入国しています。日本語でのコミュニケーションに問題がないように思いますが、実際には、仕事や日常生活での日本語使用には難しい場面が存在します。

この理由として、日本語の複雑さ、仕事で使われる専門用語、和製英語、方言、またはあいまいな表現など、理解しにくい、または誤解を招きやすい言葉や表現が存在するからです。

コミュニケーションがスムーズに進まないと、仕事の効率が低下し、ミスの原因となります。仕事がうまく進まないことで、外国人労働者のストレスにつながることがあります。

文化の違いによる日々のストレス

特定技能外国人は、自分の生まれ育った国を離れ、日本で長期間を過ごします。この期間中に様々な文化の違いに直面し、ストレスの原因となることがあります。

仕事に関する文化の違い

仕事に関する文化の違いには、挨拶する習慣がなく慣れていない、時間に対する考え方が緩やかである、契約以外の仕事を行わないなどが挙げられます。国や宗教によっては、長期休暇や正月、クリスマスなどの行事を重視し、その期間は母国へ一時帰国し家族と過ごしたいと考える外国人もいます。

生活に関する文化の違い

生活面での文化の違いには、宗教に対する考え方が挙げられます。外国人によっては、お祈りの時間が定められている、特定の衣服を着用する必要があるなど、日常生活に宗教が深く根ざしている場合があります。食生活においても、宗教によって食べることを禁じられている食材がある、1日の食事回数が定められているなどの違いがあります。

不十分なサポート体制やガイダンス不足

外国人が日本の職場や生活に馴染むためには、企業側からのサポートや助言、事前ガイダンスが不可欠です。日本での生活に必要な支援や、入国前に日本での就労や生活について説明を行う事前ガイダンスが不十分だと、私生活で大きなストレスを感じることになります。

また、外国人自身が日本の文化にもっと馴染みたい、日本語を学びたいと思っていても、そのような環境を自身で整えるのは難しいです。日本語に不慣れな外国人が職場で不安や疑問を持ったとしても、意思の正確な伝達が難しく、悩みを抱え込みがちになります。

外国人の不満や要望に応えるサポート体制や、ガイダンスを十分に提供していないと、外国人は自分たちが大切にされていないと感じてしまいます。

事前ガイダンスについては下記の記事にて詳しく解説しております。あわせてぜひご覧ください。

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労働条件、給与などの待遇、職場環境が期待以下だった

労働条件や給与などの待遇など、職場環境が期待以下だった場合、特定技能外国人が不満を持つきっかけとなります。特定技能外国人が日本で働くことを選ぶ理由の1つに、母国での就業環境よりも良い労働条件や、高い給与を得られることが挙げられます。そのため、給与に対してシビアに考えている人もいます。

また、日本でスキルアップを目指している特定技能外国人もおり、現在の企業でスキルアップの機会がない、またはスキルアップしても給与に反映されないと感じた場合、不満を持つことがあります。

特定技能外国人がすぐ辞めないための対策方法

特定技能外国人がすぐ辞めないための対策方法

特定技能外国人の離職を抑えるには、いくつかのポイントがあります。対策方法を5つ紹介いたします。

日頃からコミュニケーションを十分に取り、信頼関係を築く

特定技能外国人の支援において、日頃からのコミュニケーションが非常に重要です。例えば、月に1回の定期面談を行い、意見や懸念事項をこまめに聞く機会を設けましょう。また、日常的なコミュニケーションを通じて、お互いの信頼関係を築くことが大切です。

信頼関係が築かれていると、特定技能外国人が孤独を感じることが少なくなり、小さな不満が生じた場合でも早めに対処できるメリットがあります。

さらに、日本語教育や文化交流の機会を提供するのも重要です。これらの取り組みにより、特定技能外国人がより早く日本の文化に慣れ、より快適に働ける環境を整えることができます。

日本語のコミュニケーションに気をつける

日本語で伝える際には、外国人でも聞き取りやすいよう、ゆっくりと、はっきりと、分かりやすく話し、コミュニケーションに気をつけましょう。

また、仕事で指示をする場合、「なるべく早く」といったあいまいな表現を避け、具体的に「いつまでに、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように行うか」が明確に伝わるように工夫が必要です。

研修や日本語スキルを上げる対策を行う

特定技能外国人の日本語スキル向上のために、企業内で日本語研修を実施したり、日本語教室への通学を支援したりする方法があります。日本語教室には、法務省から認定を受けている日本語学校や、自治体やNPO法人が運営している日本語教室があります。

これにより、スキルアップを目指している特定技能外国人の満足度が向上し、さらに日本語能力が高まります。

登録支援機関に相談してみる

登録支援機関は、特定技能外国人が日本で生活する際に、様々な支援を提供する機関です。

この支援には、特定技能外国人の入国から帰国に至るまでの手続きや、生活ルールの説明など、幅広いサポートが含まれています。

登録支援機関は、支援計画を立て、出入国在留管理庁へ提出するとともに、実際の支援活動を通じて、多くの特定技能外国人や受け入れ企業と関わり、支援体制のノウハウを蓄積しています。

登録支援機関への相談を通じて、特定技能外国人の早期離職を防ぐための対策を探ることも可能です。また、登録支援機関に支援を委託し、自社では補いきれない部分をサポートしてもらうことで、離職防止に繋がります。

社内の国際化や教育係を設置する

特定技能外国人を理解するためには、受け入れ企業の従業員の国際化を進めることが有効です。企業内で外国人の文化を理解する研修を実施したり、特定技能外国人を交えて祭りなどの地域イベントに参加したり、社内にサークルがあれば一緒に活動するなど、受け入れ企業の従業員と特定技能外国人が互いを知り、交流するためのきっかけを作ることが重要です。

また、特定技能外国人が相談しやすい環境作りの一環として、社内で教育係を設けるのも効果的です。教育係には「同じ国出身の外国人」を任命するとより効果的でしょう。既に外国人を特定技能などで雇用している場合に限られますが、同じ国出身の人が身近にいる環境は心強く、孤独感を和らげることができるでしょう。

労働条件、待遇、職場環境の改善を行う

労働条件、待遇、職場環境を見直し、改善を行うことで、働きやすい魅力的な職場になります。

給与に関しては、支給額と、所得税や社会保険料を引いた後の実際の手取り額が異なる仕組みが特定技能外国人にしっかり伝わっておらず、トラブルとなるケースもあります。誤解を生まないように、あらかじめ「実際の手取り額」を分かりやすく伝えることも大切です。

昇給の社内規定が決まっている場合は、規定も分かりやすく説明しましょう。仕事を長く続けるモチベーションに繋がります。

スキルアップを希望している特定技能外国人のモチベーション向上のため、資格試験に合格したら手当を支給する、といった制度を設けている企業もあります。

福利厚生として、会社で寮を用意する場合は、相部屋ではなく個室を用意し、快適な生活を送れるようサポートを進める対策もあります。

特定技能人材の国内転職と海外採用のどっちが定着率が良い?

特定技能人材を採用する際、国内転職組と海外から直接採用する場合で、定着率には明確な差が生じる傾向があります。人材不足に悩む企業としては、短期離職を防ぎ、長期的に戦力となる人材を確保することが重要です。そこで、それぞれの採用経路ごとの特徴と、定着率に影響する要因を解説します。

海外採用の特定技能人材の定着率が高いと考えられる理由

海外から直接採用した特定技能人材は、日本での就業を強く希望し、長期的なキャリア形成を視野に入れているケースが多いです。

特に、採用前に母国での事前面談や、日本語教育、文化理解研修を経て来日するため、就労へのモチベーションが高く、契約条件や仕事内容への理解度も比較的高い傾向があります。

また、海外採用ではビザ取得や渡航費用など、企業・人材双方に一定の投資が発生します。これにより「せっかく苦労して日本に来たのだから簡単には辞められない」という心理的ハードルが働き、早期退職のリスクが低減します。

さらに、来日前に企業側が生活サポート体制(住居の手配、生活オリエンテーションなど)を整えておくことで、来日後のギャップを最小化し、安心して勤務を続けやすくなります。

国内転職の特定技能人材の定着率が低いと考えられる理由

国内で既に特定技能ビザを持って働いている人材が転職する場合、現職への不満や条件改善を理由に動いているケースが多いです。

そのため、転職後の職場や待遇が期待に沿わない場合、再び転職活動に踏み切る可能性が高く、結果として定着率が低くなる傾向があります。

加えて、国内転職組はすでに日本での生活基盤を持っているため、勤務地や職種の変更に柔軟であり、より良い条件を提示する企業へ流動しやすい特徴があります。

企業側が十分なキャリアパスや待遇改善の見通しを示さない場合、採用から短期間で離職されるリスクが高まります。

特定技能人材の採用段階でミスマッチを防ぐのも大事

特定技能人材の早期離職を防ぐためには、採用段階での「ミスマッチ防止」が何より重要です。採用後に条件や仕事内容への不満が発生すると、たとえスキルや経験が十分でも定着しません。企業と人材双方が、就業条件や期待値を正しく理解し合うための取り組みが必要です。

例えば、仕事内容、労働時間、休日、給与体系、昇給制度などはもちろん、作業環境や職場の雰囲気も含め、できる限り詳細な情報を採用前に共有することが求められます。

また、可能であればオンライン面談や現地面談を通じて、本人の人柄やコミュニケーション能力、生活面での適応力などを確認し、文化や価値観の違いによるギャップを最小限に抑える工夫が有効です。

さらに、生活サポートや日本語学習支援など、入社後のフォロー体制を事前に説明し、安心して働ける環境を提示することで、採用後の満足度と定着率を高めることができます。

特定技能外国人が退職してしまった場合

特定技能外国人が退職してしまった場合、まずは原因を正確に把握することが重要です。

表面的な理由だけでなく、背景にある職場環境や生活面の課題、文化的なギャップなどを丁寧にヒアリングすることで、同じ問題の再発を防ぐことができます。

退職者が国内での再就職を希望している場合、企業側の対応によっては再び採用につながるケースもあります。円満退職を心がけ、できる限り良好な関係を維持しておくことが望ましいでしょう。

一方で、退職が避けられない場合は、速やかに在留資格に関する手続きや行政への届出を行う必要があります。具体的には、退職後14日以内に「契約機関に関する届出」を出入国在留管理庁に提出しなければなりません。

また、ハローワークや登録支援機関と連携し、後任人材の確保や引き継ぎ対応を迅速に進めることも重要です。

退職が発生した場合は、次のような対策を打ちましょう

  • 対策
  • 採用プロセスの改善(事前情報の透明化、面談の充実)
  • 定着支援の強化(生活サポート、日本語研修、職場交流促進)
  • 労働条件・職場環境の見直し

次回以降の離職リスクを大きく減らすことができます。

まとめ

特定技能外国人に長く働いてもらうためには、様々な支援やサポートが必要です。コミュニケーションを図るには、日本と外国の文化の違いや、特定技能外国人のニーズを理解するなど、様々な知識が必要となります。

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