【2026年】特定技能の人数枠|建設・介護の上限と計算方法

外国人雇用
公開日:24.06.18/更新日26.09.16
【2026年】特定技能の人数枠|建設・介護の上限と計算方法

「特定技能を3名から10名に増やしたい。でも、うちは何人まで入れられるのか」——技能実習の人数枠に縛られた経験のある企業ほど気になる点ではないでしょうか。

特定技能外国人の受け入れ人数に、原則として企業ごとの制限はありません。ただし建設分野と介護分野のみ、常勤職員数を上限とする人数枠が設けられています。

製造業・食品工場であれば、必要な人数を必要なだけ受け入れられます。技能実習のような企業規模に応じた枠はありません。

ただし、企業単位で制限がなくても、国全体では上限が決められています。2026年4月、外食業分野でその上限に達し、制度開始以来初めて新規受入れが原則停止されました。「枠がないから、いつでも採れる」わけではなくなっています。

この記事では、自社に枠があるかどうかの判定、建設・介護の正確な計算方法、国全体の上限と現在の状況を整理します。


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目次

分野別・人数枠の早見表

分野企業ごとの人数枠上限
建設あり1号特定技能外国人+外国人建設就労者 ≦ 常勤職員の総数
介護あり1号特定技能外国人 ≦ 事業所の日本人等の常勤介護職員の総数
上記以外の14分野(工業製品製造業・飲食料品製造業など)なし制限なし
  • この記事の要点
  • 特定技能の人数枠があるのは建設・介護の2分野のみ。製造業・食品工場に制限はない
  • 建設分野は「常勤職員の総数まで」。常勤職員10人なら、1号特定技能外国人+外国人建設就労者の合計が10人まで
  • 常勤職員に、1号特定技能外国人・外国人建設就労者・技能実習生は含まない
  • 特定技能在留外国人数は390,296人(令和7年12月末・1号382,341人+2号7,955人)で過去最高
  • 国全体の受入れ見込数は805,700人に再設定(令和8年1月23日閣議決定)。対象分野も19分野へ
  • 外食業は2026年4月13日から新規受入れが原則停止。見込数に達すると受入れは止まる

特定技能の人数枠は原則ない

結論|受入れが進む16分野のうち14分野は制限なし

特定技能外国人の受け入れ人数に、原則として企業ごとの制限はありません。現在受入れが行われている16分野のうち、人数枠があるのは建設と介護の2分野だけです。

工業製品製造業・飲食料品製造業には、人数枠がありません。常勤職員が10人でも、20人の特定技能外国人を受け入れることが制度上は可能です。

なぜ技能実習には枠があり、特定技能にはないのか

両者は目的が違うからです。

項目技能実習特定技能
制度の目的実習(技能移転による国際貢献)就労(人手不足の解消)
人数枠あり(全分野・企業規模に応じる)原則なし(建設・介護を除く)
枠がある理由実習生を指導する教育者が必要なため、常勤職員数に応じて上限を設定即戦力としての就労が前提のため

技能実習の人数枠のイメージを特定技能に持ち込むと、採用計画を過度に小さく見積もってしまいます。ここは切り分けてください。

製造業・食品工場は制限なし

工業製品製造業、飲食料品製造業、ビルクリーニング、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、外食業、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業——これらに企業ごとの人数枠はありません。

【建設分野】人数枠の正しい計算方法

JAC(一般社団法人 建設技能人材機構)の公式マニュアルに沿って正確に確認します。

計算式|常勤職員の総数が上限

JACの「外国人受入れマニュアル」は、次のとおり定めています。

1号特定技能外国人の総数と外国人建設就労者の総数の合計が、1号特定技能外国人を受け入れる建設企業の常勤職員の総数を超えてはいけません。

1号特定技能外国人の総数 + 外国人建設就労者の総数 ≦ 常勤職員の総数

常勤職員の総数受け入れられる上限
5人1号特定技能外国人+外国人建設就労者の合計で5人まで
10人合計で10人まで
30人合計で30人まで
100人合計で100人まで

常勤職員と同数まで、というシンプルな基準です。倍にはなりません。

なお「外国人建設就労者」とは、外国人建設就労者受入事業(2015年度から2022年度までの時限措置)により在留していた方を指します。現在は新規受入れが終了しているため、多くの企業では実質的に「1号特定技能外国人 ≦ 常勤職員の総数」と考えて差し支えありません。

「常勤職員」に含まれない人

計算を誤りやすいのがここです。JACは明確に定めています。

常勤職員に含まれる常勤職員に含まれない
日本人の常勤職員/身分に基づく在留資格の常勤職員/技術・人文知識・国際業務などの常勤職員1号特定技能外国人/外国人建設就労者/技能実習生

技能実習生が10人いても、それは常勤職員の頭数には入りません。「うちは技能実習生を入れているから枠が増える」ということはありません。

申請実務上の「常勤(フルタイム)」は、JACの公開マニュアル上、原則として週5日以上・年間217日以上・週30時間以上が目安とされています。

計算例|常勤職員10人なら合計10人まで

  • 【例】常勤職員(日本人)10人の建設企業の場合
  • 1号特定技能外国人+外国人建設就労者の合計 → 最大10人まで
  • 技能実習生を5人受け入れていても、常勤職員は10人のまま(技能実習生は算入しない)
  • 1号特定技能外国人を10人受け入れた後も、その10人は常勤職員に算入されないため、枠は増えない

増やしたい場合は、日本人等の常勤職員を増やすしかありません。ここが建設分野の構造的な制約です。

なぜ建設分野だけ枠があるのか

JACはこう説明しています。「建設技能者は、様々な現場に出向いて働くことが想定されることから、支援を要する1号特定技能外国人を監督者が適切に指導し、育成するためには、一定の常勤職員が必要である」

現場が固定されないという建設業の特性が理由です。工場のようにラインが固定されていれば監督は容易ですが、建設は日々現場が変わります。だから監督できる常勤職員の頭数で上限を切る、という設計です。製造業に枠がないのも、この理屈の裏返しです。

【介護分野】人数枠の計算方法

介護分野も枠がありますが、建設とは単位が違います。企業単位ではなく「事業所単位」です。

計算式|事業所ごとの常勤介護職員が上限

1号特定技能外国人の総数 ≦ その事業所の日本人等の常勤介護職員の総数

複数の施設を運営している法人でも、施設ごとに計算します。A施設の常勤介護職員が20人、B施設が5人なら、A施設は20人まで、B施設は5人までです。法人全体でまとめて計算することはできません。

「日本人等の常勤介護職員」に含まれる人・含まれない人

含まれる含まれない
日本人の常勤介護職員/永住者などの身分に基づく在留資格の方/在留資格「介護」の方/EPA介護福祉士(資格取得後)1号特定技能外国人/技能実習生(介護)/EPA介護福祉士候補者(資格取得前)

1号特定技能外国人は、常勤介護職員に含まれません。特定技能で人を増やしても、枠そのものは広がりません。

在留資格「介護」に変更すれば枠の対象外になる

特定技能1号から在留資格「介護」へ変更すれば、その方は人数枠の対象外になるどころか、逆に「日本人等の常勤介護職員」としてカウントされます。

つまり枠が1つ空き、かつ分母が1つ増える——枠が実質2人分広がる計算です。

在留資格「介護」への変更には介護福祉士の資格が必要です。実務経験ルートの場合、実務経験3年以上と実務者研修の修了を経て、介護福祉士国家試験に合格する必要があります。

介護分野が特定技能2号の対象外なのは、この「介護」への移行ルートがあるためです。2号がなくても、長期就労の道は用意されています。

日本全体の受け入れ見込数

企業単位で枠がなくても、安心はできません。国全体では分野ごとに上限が設定されており、実際にその上限に達して受入れが止まった分野が出ています。

【2026年1月再設定】特定技能1号の見込数は805,700人

受入れ見込数は、閣議決定によって定期的に見直されます。直近では令和8年(2026年)1月23日に再設定されました。

制度受入れ見込数
特定技能1号805,700人(令和11年3月末まで)
育成就労426,200人(令和9年4月の制度開始以降)
合計1,231,900人

令和6年3月に設定された820,000人から、生産性向上・国内人材確保の取組を踏まえて精査され、805,700人に見直されています。あわせて対象分野も、リネンサプライ・物流倉庫・資源循環の3分野が追加されて19分野となりました(新3分野は省令の公布・施行後、準備が整い次第の受入れ開始予定。実際に受入れが進んでいるのは16分野)。

全体の到達率は約47%

令和7年12月末時点の特定技能1号は382,341人。見込数805,700人に対して約47%です。数字だけ見れば、まだ半分以上の余裕があります。ただしこれは全体の話です。分野ごとに見ると、状況はまったく違います。

分野見込数への到達率(目安)
外食業約88%
飲食料品製造業約70%
建設約65%
(全体)約47%

【重要】外食業は2026年4月13日から新規受入れが原則停止

2026年3月27日、農林水産省と出入国在留管理庁は、2026年4月13日以降、外食業分野の特定技能1号について新規の受入れを原則停止すると発表しました。受入れ見込数(5万人)に在留者数が迫ったためです。

制度開始以来、分野全体で長期的な新規受入れが停止されるのは初めての事例です。

すべての手続きが止まるわけではなく、すでに外食業分野で在留している特定技能1号からの申請(転職など)、技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)を修了した方からの申請、2026年3月27日までに食品産業特定技能協議会への加入申請を行い4月12日までに受理された申請——といった例外・経過措置があります。

「企業に人数枠がないから、いつでも好きなだけ採れる」という時代は終わりました。分野の上限に達すれば、企業の努力とは無関係に採用の扉が閉じます。

飲食料品製造業は約70%、建設は約65%。次に扉が閉まる可能性がある分野です。受け入れを検討しているなら、早いほうが確実です。

【最新】特定技能外国人の受け入れ状況

390,296人で過去最高(令和7年12月末)

区分人数(令和7年12月末)
特定技能(1号+2号)390,296人(過去最高)
特定技能1号382,341人
特定技能2号7,955人(前期3,073人から約2.6倍)
(参考)在留外国人の総数412万5,395人(初の400万人超)

特定技能2号の急増が最大の変化です。令和7年6月末の3,073人から、わずか半年で約2.6倍。2023年の対象分野拡充の効果が本格的に表れ始めています。これは「特定技能外国人=数年で帰国する労働力」という前提が崩れつつあることを意味します。

分野別|飲食料品製造業が最多

分野人数
飲食料品製造業95,644人
介護67,871人
工業製品製造業57,576人
建設51,122人
外食業44,925人

飲食料品製造業が全体の約4分の1を占めて最多。工業製品製造業も3位です。

国籍別|ベトナムが最多だが、多様化が進む

国籍人数
ベトナム164,352人
インドネシア86,955人
ミャンマー(フィリピンを抜き3位に浮上)44,523人
フィリピン35,862人
中国22,105人

ベトナムが4割超で最多ですが、構成比は縮小傾向です(令和6年12月末は約47%、令和7年6月末は約44%)。ミャンマーがフィリピンを上回って3位に浮上し、ベトナム一極集中から多様化への流れは、採用戦略上おさえておくべき変化です。

都道府県別|愛知県が最多

都道府県人数
愛知県30,605人
東京都26,171人
大阪府26,013人
埼玉県25,225人
千葉県24,143人

製造業の集積地である愛知県が全国最多です。

自社は何人まで受け入れられるか

分野別の判定フロー

STEP1|自社の分野を確認する

  • 確認すること
  • 建設分野 → 1号特定技能外国人+外国人建設就労者 ≦ 常勤職員の総数(技能実習生は算入しない)
  • 介護分野 → 事業所ごとに、1号特定技能外国人 ≦ 日本人等の常勤介護職員の総数
  • 上記以外(工業製品製造業・飲食料品製造業など14分野)→ 制度上の人数枠なし

STEP2|分野の見込数の到達状況を確認する

企業に枠がなくても、分野の上限に達すれば受入れは止まります(外食業の例)。

STEP3|実務上の上限を見積もる

制度上の枠がないからといって、無制限に受け入れられるわけではありません。実務上のボトルネックが3つあります。

  • 3つのボトルネック
  • 支援体制です。1号特定技能外国人には義務的支援10項目が必要です。登録支援機関に全部委託するなら人数は制約になりませんが、自社支援なら支援担当者を事業所ごとに1名以上選任する必要があります。
  • 教育キャパシティです。一度に10人受け入れても、教える側が回らなければ定着しません。
  • 住居です。特に海外から呼び寄せる場合、住居確保は義務的支援の一項目です。10人分の住まいを一度に用意できるかは、現実的な制約になります。

増やすときに先に整えるもの

人数を増やす前に、順番として先に整えるべきものが4つあります。

作業手順書の整備(写真つき・やさしい日本語)、指揮命令系統の明確化(誰に聞けばいいか)、相談窓口の確保(母国語で対応できる体制)、住居の見通し——この4つです。

これらを整えずに人数だけ増やすと、定着せず、結局また募集することになります。制度上の枠より、この4つのほうが実質的な上限を決めています。

特定技能の人数枠に関するよくある質問

Q1. 特定技能に人数制限はありますか?

A. 原則ありません。受入れが進む16分野のうち、企業ごとの人数枠があるのは建設と介護の2分野だけです。工業製品製造業・飲食料品製造業などに制限はありません。

Q2. 建設分野の人数枠は何人までですか?

A. 1号特定技能外国人と外国人建設就労者の合計が、受入企業の常勤職員の総数までです。常勤職員が10人なら合計10人までです。なお常勤職員に、1号特定技能外国人・外国人建設就労者・技能実習生は含みません。

Q3. 介護分野の人数枠は?

A. 事業所ごとに、1号特定技能外国人の総数が日本人等の常勤介護職員の総数を超えないことが条件です。法人全体ではなく事業所単位で計算します。在留資格「介護」に変更すれば枠の対象外となり、逆に常勤介護職員として算入されます。

Q4. 技能実習と人数枠は違いますか?

A. 違います。技能実習は「実習」が目的で指導者が必要なため全分野に人数枠がありますが、特定技能は「就労」が目的のため原則として枠がありません。混同しないようご注意ください。

Q5. 常勤職員に外国人は含まれますか?

A. 身分に基づく在留資格や技術・人文知識・国際業務などの常勤職員は含まれます。ただし1号特定技能外国人・外国人建設就労者・技能実習生は含まれません。

まとめ

特定技能外国人の受け入れ人数に、原則として企業ごとの制限はありません。人数枠があるのは建設と介護の2分野だけです。製造業・食品工場であれば、必要な人数を必要なだけ受け入れられます。

建設分野の計算式は、1号特定技能外国人+外国人建設就労者 ≦ 常勤職員の総数。常勤職員が10人なら合計10人までです。技能実習生は常勤職員に算入されないため、実習生を増やしても枠は広がりません。

介護分野は事業所ごとに、日本人等の常勤介護職員の総数が上限。ただし在留資格「介護」に変更すれば枠の対象外となり、かつ常勤介護職員として算入されるため、枠が実質2人分広がります。

そして最も重要な変化です。企業に枠がなくても、国全体には上限があります。受入れ見込数は令和8年1月23日の閣議決定で特定技能1号805,700人に再設定され、全体の到達率は約47%。しかし外食業は約88%に達し、2026年4月13日から新規受入れが原則停止されました。制度開始以来初の事例です。

飲食料品製造業は約70%、建設は約65%。「枠がないから、いつでも採れる」という前提は、もう成り立ちません。受け入れを検討しているなら、早く動くほうが確実です。


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