派遣社員がすぐ辞める5つの理由と定着率を向上させる3つのポイントを紹介
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勤務を真面目に行い、派遣先企業からの信頼が高い派遣社員がいる一方、勤務開始後、すぐに辞めてしまう派遣社員もいらっしゃいます。
派遣社員の導入は人手不足を解決する手段として有効的ですが、受け入れた派遣社員の早期離職は派遣先企業にとって、業務の滞りや教育費・イニシャルコスト(初期費用)の増加(悪化)に繋がります。
派遣社員がすぐに辞めてしまう理由は様々ですが、辞めてしまう理由を把握し、適切な対策を行うことで、派遣社員の定着率向上が期待できます。
定着率を向上させることにより、人材採用や教育などのコストが削減され、生産性の向上や業務の安定に繋がるでしょう。
そこで今回は、派遣社員が派遣先企業ですぐに辞めてしまう理由と、定着率を向上させるポイントを紹介いたします。
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目次
派遣社員がすぐ辞める5つの理由
「責任感が低い」「仕事に対するモチベーションが低い」など個人的な理由で、派遣先の仕事をすぐに辞めてしまう派遣社員も一定数いますが、1か所の職場で長く働く派遣社員も存在します。
派遣社員がすぐに派遣先職場を辞めてしまう理由について、厚生労働省が発表している統計データで実態の確認を行うことが可能です。
平成29年派遣労働者調査によると、派遣労働者がこれまで働いてきた派遣先の数は、「1か所」の割合が最も高く42.6%、次いで「2か所」19.9%、「4~5か所」13.2%となっております。派遣先を転々としている派遣社員は少数で、多くの派遣社員が同じ派遣先で就業を続けていることがわかります。
これまで働いてきた派遣先の数 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
派遣数 | 1か所 | 2か所 | 3か所 | 4~5か所 | 6~9か所 | 10か所以上 |
割合 | 42.6% | 19.9% | 12.2% | 13.2% | 7.7% | 3.2% |
※不明:1.2%
元々は長く働きたいと考え就業した派遣社員が、様々な原因によって退職してしまう場合もあります。
派遣社員が辞めてしまう原因について、同データにおける派遣社員の苦情内容から確認ができます。
過去1年間に現在の派遣先における就業について、苦情を申し出たことがある派遣労働者は17.6%となっております。
苦情を申し出たことがあると回答した労働者について苦情の主な内容をみると、苦情の割合が多い上位5つが全体の89%を占めております。
上位5位の苦情内容について紹介いたします。
苦情内容 | 割合 | |
---|---|---|
1 | 人間関係・いじめ・パワーハラスメント | 28.0% |
2 | 業務内容 | 27.3% |
3 | 賃金 | 17.5% |
4 | 就業日・就業時間・休憩時間・時間外労働・休暇 | 10.1% |
5 | 指揮命令系統 | 6.1% |
6 | 安全・衛生 | 2.3% |
7 | 派遣期間 | 1.3% |
8 | セクシャルハラスメント | 0.8% |
9 | 個人情報の保護 | 0.6% |
10 | その他 | 6.0% |
人間関係・いじめ・パワーハラスメント(28.0%)
派遣社員は、正社員と比べて職場でのステータスや地位が低いと感じてしまい、正社員との間に壁ができ、コミュニケーションや連帯感の欠如が生じることがあります。
雇用形態が一時的である場合、同僚とのつながりを築く時間が限られていることもあります。これらの要因が重なると、派遣社員は孤立感を抱き、人間関係の悪化によって退職を選ぶケースも見られます。
また、派遣社員は雇用状況が不安定であることから、正社員からのいじめやパワーハラスメントを受けやすい立場にあります。正社員からの嫌がらせや優遇されない扱いを受けることによって、派遣社員の自尊心や自信が傷つき、退職してしまうことがあります。
業務内容(27.3%)
就業前の説明が不十分であったり、募集内容と異なった業務内容であるなどの理由で、派遣社員が想定していた業務の範囲や難易度と、実際の業務内容が異なり、「想像していたものと違った」「募集要項にないことを求められた」「自分には向いていないと感じた」などと業務に対するストレスやミスマッチを感じ、退職してしまうことがあります。
賃金(17.5%)
派遣社員の賃金について、同調査データの調査結果の賃金に対する評価をみると、「満足している」が34.2%であることに対し、「満足していない」が39.1%、「どちらとも言えない」が24.2%となっております。
満足していないと回答した派遣労働者について、満足していない理由をみると、「派遣先で同一の業務を行う直接雇用されている労働者よりも賃金が低いから」が 26.9%と最も高くなっております。
賃金の不満が生じる原因としては、派遣社員は昇給・賞与・交通費の支給が派遣先企業の社員より少ないケースが多いことが挙げられます。
就業日・就業時間・休憩時間・時間外労働・休暇(10.1%)
派遣社員にとって、就業日や就業時間、休憩時間、時間外労働、休暇などの労働条件が重要な要素となります。繁忙期や職場のトラブルが発生した際などに無理な労働が発生した場合、特に派遣先とのコミュニケーションが不十分な派遣社員は仕事とプライベートのバランスが崩れ、退職を決断することがあります。
指揮命令系統(6.1%)
派遣社員の雇用元である派遣会社と派遣先企業の意思疎通が不十分であったり、派遣先企業で異なる上司からの指示があり、それぞれの指示が食い違ったりする場合、指揮命令系統の混乱が生じることで適切な業務遂行が困難となり、ストレスや混乱を抱える結果となります。このような状況が継続すると、派遣社員は職場環境の不安定さから退職を決断することがあります。
派遣社員の定着率を向上させる3つのポイント
派遣社員の定着率向上は企業にとって重要な課題です。定着率が低いと、採用と離職のサイクルが繰り返され、生産性や労働力の安定性に影響を及ぼす可能性があります。
派遣社員の定着率向上は企業に経済的なメリットをもたらします。定着率が向上することで、人材採用や教育などのコストが削減されます。また、定着した派遣社員は業務に精通し、生産性の向上や業務の安定性につながることが期待できます。
以上のように定着率を向上させることはメリットが大きいため、ここでは、派遣社員の定着率を向上させる3つのポイントを紹介いたします。
職場の人間関係や業務内容の改善
派遣社員が業務を遂行する際には、派遣先における指揮命令者の選定が重要な要素となります。指揮命令者は派遣先企業において派遣社員を指導し、サポートする役割を担います。
また、職場の人間関係や業務内容の改善を行うにも、派遣先の指揮命令者の役割を明確にすることは大切です。指揮命令者が複数いる状態では、派遣社員に複数の異なる指示が発生する可能性があります。
また、指揮命令者がいない状態では、派遣社員のスキルや業務量を把握することが困難になることや、具体的な業務の指示が滞る場合があります。
派遣先の指揮命令者を明確にすることで、派遣社員のスキルや業務量を把握しつつ、具体的な業務の指示と説明を行い、業務がスムーズに行われることが考えられます。
また、派遣社員の業績やパフォーマンスを評価し派遣社員や派遣元責任者にフィードバックを提供することや、派遣社員とのコミュニケーションを円滑に行うことで、適切な連携を図ることが期待できます。
待遇面の改善
派遣社員の定着率を向上させるには、待遇面の改善や見直しも重要です。
派遣社員への給与の設定は派遣元が行いますが、派遣元だけでは派遣社員のスキルや勤務状況を正確に把握することは難しく、派遣先企業からのフィードバックを受けつつ評価を行います。
待遇面を改善するにあたり、派遣先と派遣元のコミュニケーションを強化し、待遇面について相談を進めることが重要です。
ミスマッチの抑制
派遣社員の定着率向上には、入社(受け入れ)前に職場環境や業務内容などの詳細を派遣社員にしっかりと伝え、ミスマッチを抑制することが大切です。
求人・面接などは派遣会社が行うこととなるため、依頼する派遣会社に募集内容や職場環境をしっかりと伝え、派遣会社と連携してミスマッチの抑制を図ることが効果的です。
また、入社(受け入れ)前に職場見学を行う場合、派遣社員に対して直接的に職場環境や業務内容を伝え、職場の案内をしっかりと行うことでミスマッチの抑制が期待できます。
派遣社員の定着率向上には派遣会社の選定も重要
派遣社員の定着率を向上させるためには、派遣会社の選定も非常に重要です。派遣先企業が定着率を向上させる活動を行っていても、雇用元である派遣会社が意欲的に活動をしていない場合、定着率の向上に繋げることは困難です。
派遣社員の定着率向上における派遣会社の役割について説明いたします。
適切なスキルマッチングとキャリアサポート
派遣会社は、派遣社員のスキルや経験に基づいて適切な仕事のマッチングを行う役割を果たします。派遣社員が自身のスキルや興味に合った仕事に就けることは、モチベーションアップや定着率向上につながります。
また、派遣会社がキャリアサポートや研修プログラムを提供することも重要です。派遣社員がスキルやキャリアの成長を実感できる環境を提供することで、定着率が向上します。
適切な労働条件の提供
派遣会社は、派遣社員の労働条件を適切に管理する役割を果たします。給与や労働時間、休暇制度、福利厚生などが派遣会社との契約によって決まります。派遣社員にとって公正で魅力的な労働条件を提供する派遣会社を選ぶことは、派遣社員の定着率を向上させる一因となります。
サポート体制とコミュニケーション
派遣会社は、派遣社員のサポート体制を整える役割を果たします。派遣社員が業務上の問題や課題を適切に解決できるようなサポートを提供することは、派遣社員の定着率を向上させる重要なプロセスであると考えられます。
派遣社員が問題や疑問を抱えた際に相談することができる相談窓口の適切な設置や、定期的なフィードバックや評価を行える組織体制が必要です。
まとめ
派遣社員の定着率向上は、派遣先企業にとって経済的なメリットをもたらします。
派遣社員が派遣先の職場をすぐに辞めてしまう理由を把握しつつ、派遣元・派遣先企業が一体となり定着率向上の取り組みを行うことが有効的であると考えられます。
そのため、派遣社員の定着率向上には、派遣会社の選定は重要です。派遣社員の定着率向上に向けて活動をしており、コミュニケーションを構築できる派遣会社を選定することが大切です。
もし、派遣社員の定着率で悩んでいるという場合、キャリアリンクファクトリーにご相談ください。
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