特定技能「工業製品製造業」の電気電子機器組立てとは?対象技能・対象企業・受け入れの流れを解説
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特定技能の在留資格で外国人材を受け入れたいものの、「電子機器や電気機械の組立てを行う自社工場の作業内容が対象になるのか分からない」とお悩みの企業様も多いのではないでしょうか。
特定技能の「工業製品製造業分野」は、2022年に旧・素形材産業・産業機械製造業・電気・電子情報関連産業の3分野が統合され、2024年に現在の名称・区分体系へと整理された分野で、現在は17の業務区分に分かれています。
この中でも「電気電子機器組立て」は、電子機器・電気機器の組立てやプリント配線板の製造など、電気・電子系のものづくりに関わる技能を中心にカバーする業務区分です。
この記事では、特定技能「電気電子機器組立て」の位置づけと対象となる技能、対象企業のイメージ、必要な試験や受け入れの流れについて解説いたします。
- この記事でわかること
- 「電気電子機器組立て」区分は、電子機器組立て・電気機器組立て(回転電機・変圧器・配電盤・制御盤等)・プリント配線板製造を核とし、電気・電子系のものづくりをカバーする業務区分であること
- 機械加工・仕上げ・プラスチック成形・機械検査・機械保全・工業包装は機械金属加工区分と共通する技能であり、どちらの区分でも従事できること
- 区分ごとに独立した評価試験があるため、機械金属加工区分の試験に合格していても、電気電子機器組立て区分の業務に従事するには別途この区分の試験合格が必要なこと
- 技能実習2号の「機械加工」「強化プラスチック成形」等を修了していれば、電気電子機器組立て区分に試験免除で移行できること
- 対象となる主な産業コードは電子部品・デバイス・電子回路製造業(28)、電気機械器具製造業(29)、業務用機械器具製造業(27)であること
- 特定技能2号への移行には「評価試験合格」「3年以上の実務経験」「ビジネスキャリア検定3級合格」の3要件が必要なこと
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目次
- 1 特定技能「工業製品製造業分野」とは
- 2 「電気電子機器組立て」業務区分の位置づけ
- 3 電気電子機器組立てで対象となる主な技能
- 4 対象となる企業・事業所のイメージ
- 5 必要な試験
- 6 特定技能2号への移行(電気電子機器組立て)
- 7 機械金属加工区分との比較:どちらの区分で受け入れるか
- 8 受け入れの流れ
- 9 よくある質問
- 9.1 Q. 特定技能外国人を受け入れる際の人数制限はありますか?
- 9.2 Q. 機械金属加工区分と電気電子機器組立て区分のどちらで受け入れればよいかわかりません。
- 9.3 Q. 機械金属加工区分の評価試験に合格している外国人を、電気電子機器組立て区分の業務にも従事させることはできますか?
- 9.4 Q. 「強化プラスチック成形(手積み積層成形)」で技能実習2号を修了した外国人を受け入れる場合、評価試験は必要ですか?
- 9.5 Q. 「機械加工」で技能実習2号を修了した外国人を電気電子機器組立て区分で受け入れることはできますか?
- 9.6 Q. 電気電子機器組立て区分の特定技能外国人に、組立て以外の業務(検査・梱包など)も担当させることはできますか?
- 9.7 Q. 評価試験はどこで申し込めますか?団体での申込みはできますか?
- 9.8 Q. 特定技能外国人を関連会社に異動させることはできますか?
- 10 まとめ
特定技能「工業製品製造業分野」とは
工業製品製造業分野は、特定技能制度の中でも受入れ人数が多い分野の一つです。2022年に旧・素形材産業・産業機械製造業・電気・電子情報関連産業の3分野が統合されて1つの分野となり、2024年には「工業製品製造業」へ名称変更されるとともに、新たな業務区分が追加されて10業務区分に拡大しました。
さらに2026年1月の閣議決定で17業務区分に拡大しています。複数の作業を一体的に行う「多能工化」に対応した受け入れが可能になっており、業務区分をまたいで共通する技能については、複数の区分にまたがって従事できる点も大きな特徴です。
「電気電子機器組立て」業務区分の位置づけ
工業製品製造業分野の17業務区分のうち、「電気電子機器組立て」は旧・産業機械製造業・電気・電子情報関連産業を中心に統合された区分です。電子機器組立て、電気機器組立て、プリント配線板製造といった、電気・電子系のものづくりに特有の技能を核としています。
同じ工業製品製造業分野の「機械金属加工」区分と共通する技能も多く(機械加工・仕上げ・プラスチック成形・機械検査・機械保全・工業包装など)、これは2022年の統合時に「複数の工程を担う多能工化」を後押しする設計がなされたためです。自社の工場ラインが電気・電子機器の組立てを主体としつつ、部品加工や検査も兼ねているケースでは、電気電子機器組立て区分での受け入れが適している場合があります。
技能実習制度において「電子機器組立て」「電気機器組立て」「プリント配線板製造」「回転電機巻線製作」などの職種で実習生を受け入れてきた企業にとっては、最も馴染みのある区分といえるでしょう。
電気電子機器組立てで対象となる主な技能
「電気電子機器組立て」で対象となる技能を、作業内容ごとに整理します。
電子機器組立て
テレビ・カメラ・コンピュータ・計測器・通信機器・医療用電子機器など、電子部品を使って電子機器を完成させる組立て作業です。プリント配線板への部品装着から、配線・結線・調整・検査・梱包に至る一連の工程が含まれます。電子機器製造工場で最も広く必要とされる技能です。
電気機器組立て
回転電機(モーター・発電機)、変圧器、配電盤・制御盤、開閉制御器具など、電気機器を組み立てる作業です。具体的には以下の作業が含まれます。
- 具体的な作業
- 回転電機組立て:モーター・発電機などの回転電機の組立て・検査
- 変圧器組立て:変圧器の巻線・組立て・検査
- 配電盤・制御盤組立て:配電盤・制御盤・指示計器盤等の組立て・検査
- 開閉制御器具組立て:開閉器・制御器・継電器などの組立て・検査
- 回転電機巻線製作:回転電機のコイル・巻線の製作
産業用機械・設備の電装品を製造する工場や、電気設備メーカーが対象となります。
プリント配線板製造
電子機器の基幹部品となるプリント配線板(プリント基板)の製造作業です。プリント配線板の設計から、めっき処理、はんだ付け、エッチング、実装、検査まで幅広い工程が含まれます。電子部品・デバイス製造業が主な対象となります。
機械金属加工区分と共通する技能
電気電子機器組立て区分は、以下の技能を「機械金属加工」区分と共有しています。
- 機械金属加工区分と共通する技能
- 機械加工(旋盤・フライス盤・マシニングセンタ等による切削加工)
- 仕上げ(治工具仕上げ・金型仕上げ・機械組立仕上げ)
- プラスチック成形(射出成形・ブロー成形・圧縮成形等)
- 機械検査(部品・製品の精密検査)
- 機械保全(設備・機械のメンテナンス)
- 工業包装(製品出荷のための工業包装)
これらの技能は、電気・電子機器の製造ラインにおいても広く必要とされる工程です。電気電子機器組立てを主たる業務としながら、付随する機械加工・検査・梱包なども担う多能工的な受け入れが可能です。
なお、電気電子機器組立て区分と機械金属加工区分の両区分に共通する技能(機械加工等)で技能実習2号を修了した人材については、どちらの区分の特定技能1号へも移行可能です。ただし、評価試験を通じて1つの区分の在留資格を取得した場合は、他の区分で従事するには別途その区分の評価試験への合格が必要になります。
(出典:JAIM FAQ p.35 Q8-2-1、p.22-23 Q3-2-2・Q3-2-3)
対象となる企業・事業所のイメージ
電気電子機器組立て区分の対象となる企業・事業所のイメージとして、以下のような工場が挙げられます。
- 対象となる企業・事業所のイメージ
- 家電製品(テレビ・洗濯機・エアコン等)の組立工場
- 産業用電子機器(制御装置・計測器・医療機器等)の組立工場
- 配電盤・制御盤・変圧器などの電気機器製造工場
- プリント基板(プリント配線板)の製造・実装工場
- モーター・発電機などの回転電機製造工場
- 半導体・電子部品の製造・実装工場
日本標準産業分類における主な対象産業コードとしては、電子部品・デバイス・電子回路製造業(28)、電気機械器具製造業(29、ただし2922内燃機関電装品製造業を除く)、業務用機械器具製造業(27、ただし274医療用機械器具・医療用品製造業および276武器製造業を除く)などが挙げられます。ただし、対象産業コードの全リストは経済産業省・JAIM(一般社団法人工業製品製造技能人材機構)の「対象となる産業分類一覧」にて確認でき、自社の事業所が対象に該当するかどうかは直近1年間の製造品出荷額等の実績をもとに判断されるため、不明な場合はJAIMまたは専門家へご確認ください。
(出典:JAIM FAQ p.5 Q2-1-1)
必要な試験
特定技能1号として電気電子機器組立て区分で外国人材を受け入れるには、「製造分野特定技能1号評価試験(電気電子機器組立て)」に合格するか、対応する技能実習2号を良好に修了している必要があります。電子機器組立て、電気機器組立て、プリント配線板製造、回転電機巻線製作などは、技能実習制度においても長年実施されてきた職種であるため、技能実習2号からの移行による受け入れも多く見られます。
評価試験・試験日程・学習用テキストはJAIM(一般社団法人工業製品製造技能人材機構)のウェブサイト(https://www.jaim-skill.or.jp/exam/)にて随時更新されています。
(出典:JAIM FAQ p.32 Q7-1)
特定技能2号への移行(電気電子機器組立て)
工業製品製造業分野は、特定技能2号の対象11分野の一つです。電気電子機器組立て区分で長期的に活躍する人材を育成したい場合、以下の要件をすべて満たすことで特定技能2号への移行が可能です。
特定技能2号への移行要件(製造分野・電気電子機器組立て区分)
- 技能要件:製造分野特定技能2号評価試験(電気電子機器組立て区分)に合格、または技能検定1級(電子機器組立て・電気機器組立て・プリント配線板製造等)に合格
- 実務経験:日本国内に拠点を持つ企業の製造業の現場における3年以上の実務経験
- 管理能力:ビジネスキャリア検定3級(生産管理プランニング区分または生産管理オペレーティング区分)に合格
(出典:JAIM「工業製品製造業における特定技能外国人受入れに関するFAQ」令和8年8月7日時点版 p.37 Q9-1-1・Q9-1-3)
特定技能2号では在留期間の制限がなくなり、家族の帯同も認められるため、長期雇用を見据えた人材育成の選択肢となります。
機械金属加工区分との比較:どちらの区分で受け入れるか
自社の工場で電気・電子機器の製造に関わる作業を行っている場合、「機械金属加工」と「電気電子機器組立て」のどちらの区分に当てはまるか迷うケースがあります。大まかな判断の目安は以下の通りです。
| 作業の中心 | 適した業務区分 |
|---|---|
| 電子機器・電気機器の組立て、プリント配線板の製造が主 | 電気電子機器組立て |
| 金属加工・プレス・溶接・鋳造・鍛造・塗装が主 | 機械金属加工 |
| 機械加工・検査・保全・工業包装(どちらの製品ラインでも発生) | いずれの区分でも対応可 |
2022年の統合以降、区分をまたいで共通する技能については両区分のどちらの外国人材でも従事できるため、実際には「どちらか一方でないといけない」というわけではなく、自社の主たる業務内容に合った区分を選択する形になります。個別の判断が難しい場合は、人材紹介会社や登録支援機関にご相談ください。
受け入れの流れ
電気電子機器組立て区分での受け入れの基本的な流れは、他の工業製品製造業分野の業務区分と同様です。
- 受け入れの流れ
- 評価試験合格者の採用、または技能実習2号修了者からの移行
- 雇用契約の締結
- 事前ガイダンス、健康診断、支援計画の策定
- 在留資格認定証明書交付申請(海外からの採用の場合)または在留資格変更許可申請(国内在留者からの移行の場合)
- 義務的支援の実施、就労開始
なお、在留資格申請に関わる書類の作成は、2026年1月施行の改正行政書士法により、行政書士・弁護士以外が報酬を得て行うことが原則禁止されています。委託先を選定する際は、登録支援機関への支援委託と、行政書士への書類作成依頼を別途手配する必要がある点にご注意ください。
よくある質問
Q. 特定技能外国人を受け入れる際の人数制限はありますか?
受入れ機関ごとの人数制限はありません。ただし、特定技能1号外国人を受け入れるにあたっては、支援計画に基づく受入れ機関としての義務を果たすことができる体制が前提となります。(出典:JAIM FAQ p.4 Q1-1)
Q. 機械金属加工区分と電気電子機器組立て区分のどちらで受け入れればよいかわかりません。
外国人が主として従事する業務の内容で判断します。電子機器・電気機器の組立てやプリント配線板の製造を主業務とする場合は電気電子機器組立て区分、鋳造・機械加工・プレス・溶接・塗装などを主業務とする場合は機械金属加工区分が適しています。
機械加工・仕上げ・プラスチック成形・機械検査・機械保全・工業包装は両区分に共通する技能ですので、これらを主業務とする場合はいずれの区分でも受け入れが可能です。判断に迷う場合は、JAIMまたは専門家にご相談ください。(出典:JAIM FAQ p.5 Q2-1-2、p.35 Q8-2-1)
Q. 機械金属加工区分の評価試験に合格している外国人を、電気電子機器組立て区分の業務にも従事させることはできますか?
原則としてできません。機械金属加工区分の在留資格を持つ外国人は、その区分内でのみ従事が可能です。電気電子機器組立て区分の業務に従事させるためには、電気電子機器組立て区分の評価試験への合格と在留資格上の手続きが別途必要になります。
ただし、技能実習2号から移行する場合は、「機械加工」など両区分に共通する職種を良好に修了していれば、どちらの区分への移行も可能です。(出典:JAIM FAQ p.35 Q8-2-1)
Q. 「強化プラスチック成形(手積み積層成形)」で技能実習2号を修了した外国人を受け入れる場合、評価試験は必要ですか?
必要ありません。「強化プラスチック成形」職種で技能実習2号を良好に修了した外国人は、電気電子機器組立て区分(または機械金属加工区分)の特定技能1号への移行が可能で、評価試験・日本語試験がともに免除されます。(出典:JAIM FAQ p.22 Q3-2-2)
Q. 「機械加工」で技能実習2号を修了した外国人を電気電子機器組立て区分で受け入れることはできますか?
はい、可能です。「機械加工」職種で技能実習2号を良好に修了した外国人は、機械金属加工区分と電気電子機器組立て区分のどちらへも移行が可能です。移行後は、在留資格を取得した業務区分内の技能を要する業務に従事できます。(出典:JAIM FAQ p.22-23 Q3-2-3)
Q. 電気電子機器組立て区分の特定技能外国人に、組立て以外の業務(検査・梱包など)も担当させることはできますか?
はい、可能です。電気電子機器組立て区分には機械検査・工業包装なども含まれており、区分内の技能を要する業務であれば従事させることができます。
また、日本人従業員が通常従事する関連業務(原材料・部品の調達・搬送、前後工程、クレーン・フォークリフト操作、清掃・保守管理等)に付随的に従事させることも差し支えありません。(出典:JAIM FAQ p.25 Q4-1)
Q. 評価試験はどこで申し込めますか?団体での申込みはできますか?
評価試験の申込みはプロメトリックのウェブサイト(https://www.prometric-jp.com/ssw/test_list/archives/17)から行います。最新の試験日程・開催場所はJAIMおよびプロメトリックのウェブサイトにて随時更新されています。
なお、団体予約サービスは2026年3月をもって終了しており、現在は受験者ごとの個人申込みのみとなっています。1つのメールアドレスを複数の受験者で共用することもできませんのでご注意ください。(出典:JAIM FAQ p.32 Q7-1、p.34 Q7-6-1・Q7-6-2)
Q. 特定技能外国人を関連会社に異動させることはできますか?
できません。特定技能外国人は、雇用契約を結んでいない他社・他社事業所への異動は認められていません。また、在籍型出向(出向元・出向先の双方と雇用契約を結ぶ形態)も工業製品製造業分野では原則認められていません。(出典:JAIM FAQ p.26-27 Q4-4-1・Q4-6)
まとめ
特定技能「工業製品製造業」の「電気電子機器組立て」区分は、電子機器組立て・電気機器組立て・プリント配線板製造といった電気・電子系のものづくりに特有の技能を核としつつ、機械加工・仕上げ・検査・保全・工業包装など機械金属加工区分と共通する技能も含む、幅広い区分です。技能実習制度で実績のある職種が多く含まれているため、技能実習2号からの移行も含めて受け入れを検討しやすい区分といえます。
自社の作業内容が電気電子機器組立て区分の対象になるか分からない、受け入れの手続きを進めたいといったお悩みがございましたら、キャリアリンクファクトリーにご相談ください。製造業に特化した人材紹介・受け入れ支援の実績をもとに、貴社に最適な形をご提案いたします。
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