特定技能を自社支援に切り替えできる?企業や支援責任者の要件や必要な書類について紹介

外国人雇用
公開日:24.04.24/更新日:24.04.24
特定技能を自社支援に切り替えできる?企業や支援責任者の要件や必要な書類について紹介

特定技能外国人を受け入れる企業は、入国から帰国までの、勤務や生活に関する一連の支援を行うことが義務付けられています。

支援は「登録支援機関」に委託できますが、自社で支援を行い、コストダウンを図りたいと考えている企業も多いのではないでしょうか。

この記事では、特定技能外国人の自社支援に必要な要件と、実施するメリット・デメリットを紹介いたします。

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特定技能は自社支援に切り替えはできる?

特定技能外国人の支援は、自社支援に切り替え可能です。しかし、自社支援への切り替えには、企業や担当者に求められる要件があります。また、必要書類を作成し、出入国在留管理庁への届出が必要です。

特定技能を自社支援にするための要件

特定技能を自社支援にするための要件

特定技能を自社支援に切り替えるには、「企業」「支援責任者」「支援担当者」のそれぞれに必要な要件があります。

企業の要件

自社支援を行う企業は、以下3つの要件を満たす必要があります。

中長期在留者の雇用・管理実績が必要

過去2年以内に中長期在留者を雇用及び監理した実績が必要です。中長期在留者とは、特定技能や技能実習などの就労資格を持っている在留者のことを指します。直近2年間の内、一部期間でも雇用や管理の実績があれば認められます。

外国人が十分に理解できる言語での支援体制が必要

外国人が十分に理解できる言語で、支援ができる体制が求められます。

特定技能外国人は日本語を学習し、試験を合格しておりますが、言語レベルは完全ではありません。様々な決まり事や支援内容をしっかりと理解してもらうには、外国人が十分に理解できる言語で伝えられる体制作りが必要です。

自社支援を行う中で、支援状況に関する文書を作成・保管

受け入れ企業は、四半期に一回「特定技能所属機関による支援実施状況に係る届出」を、出入国在留管理庁に提出します。

届出する文書には、支援体制に関するものや、特定技能外国人と面談を行った日時や面談内容などの記録が必要です。

この文書の保管期間は、特定技能外国人の雇用契約終了日から1年以上と定められています。

支援責任者及び支援担当者の要件

特定技能外国人を自社支援するには、支援責任者及び支援担当者の専任が必要です。

支援責任者とは、支援担当者を監督する人のことです。受け入れ企業の役員または職員の中から選定します。

支援担当者とは、支援計画に沿った支援を実施する人のことです。受け入れ企業の役員、または、職員で、常勤者から選定します。

支援責任者と支援担当者は兼任可能のため、最低1名の人員を確保できていれば問題ありません。

支援責任者及び支援担当者の専任には、次の2つの要件が求められます。

中長期在留者の生活相談業務を行った実績が必要

支援責任者及び支援担当者は、過去2年間の中で、中長期在留者の生活相談業務を行った経験がある者を専任する必要があります。

生活相談の業務とは、生活に関係する契約やオリエンテーション、定期面談などを指します。業務として行った経験のみ当てはまり、個人的な相談や、ボランティアとしての相談は当てはまりません。

特定技能外国人を監督する部署に所属していない

支援責任者及び支援担当者は、特定技能外国人を業務中に監督する部署に所属していない者を専任する必要があります。

特定技能外国人と企業の間でトラブルがあった場合に、支援責任者及び支援担当者は中立な立場で対応する必要があるからです。

例えば、製造の特定技能外国人を雇用する場合、支援責任者及び支援担当者の所属部署は製造関連ではなく、人事や総務などであれば条件を満たすことができます。

特定技能を自社支援にするための必要書類

特定技能を自社支援にするための必要書類

特定技能を自社支援にするには、必要書類を出入国在留管理庁に提出します。

提出方法は、インターネット、郵送、窓口へ直接提出、いずれかの方法で行います。

郵送や窓口の提出は、受け入れ企業の本店(本社)の住所を管轄する「地方出入国在留管理官署」宛に行います。

出入国在留管理庁のHPから、各様式のフォーマットや記入例を閲覧・ダウンロード可能です。

・支援計画の変更に係る届出書(参考様式第3-2号)

・新しい支援計画書(参考様式第1−17)

参考:特定技能所属機関による支援計画変更に係る届出 | 出入国在留管理庁

・特定技能所属機関による支援委託契約に係る届出(参考様式3-3-2)

参考:特定技能所属機関による支援委託契約に係る届出 | 出入国在留管理庁

・特定技能所属機関概要書(参考様式第1−11号)

参考:特定技能関係の申請・届出様式一覧 | 出入国在留管理庁

※ページ内「特定技能外国人の在留諸申請に関するもの(参考様式)」のリストの中に、フォーマットや記載例のリンクがあります。

支援計画の変更に係る届出書(参考様式第3-2号)

支援計画の変更に係る届出書とは、特定技能外国人への支援を、登録支援機関から自社支援に切り替えるための書類です。

「登録支援機関に支援を委託している」場合には、「特定技能所属機関や登録支援機関の変更点について」にチェックを入れます。

新しい支援計画書(参考様式第1−17)

自社支援に切り替えるには、新たに支援計画書の作成が必要です。自社で支援を行う特定技能外国人の支援計画を立案し、支援内容の実施予定日や支援担当者、実施方法を計画書に記入していきます。

特定技能所属機関による支援委託契約に係る届出(参考様式3-3-2)

自社支援に切り替えるには「特定技能所属機関による支援委託契約に係る届出」が必要です。届出を行い、「登録支援機関との契約を終了しました」という旨を連絡します。

特定技能所属機関概要書(参考様式第1−11号)

自社支援を行う要件を満たしている旨を伝えるために、「特定技能所属機関概要書」の届出が必要です。

企業が過去2年間にわたり受け入れた中長期在留者の人数や、支援責任者及び支援担当者の氏名、所属部署を記入します。支援責任者及び支援担当者の「過去2年間に中長期在留者の生活相談業務に従事した経験」は、参考様式第1−20号、及び参考様式第1−22号の履歴書に記入します。

受け入れ企業の組織図

受け入れ企業の組織図は、「特定技能の支援担当者・責任者が外国人に対して業務上の指示をする権限を持つ者でないこと」を示すために提出します。組織図に様式は定められておらず、自由形式で作成します。

特定技能外国人への義務的支援・任意的支援の実施

義務的支援とは、特定技能1号外国人が日本国内で安定して生活や勤務を送るために必要とされている支援です。

特定技能1号に該当する外国人を受け入れする企業は、義務的支援の実施が必要です。

また、特定技能2号に該当する外国人には、義務的支援は存在しません。

任意的支援は義務ではありませんが、支援計画に記載した任意的支援の内容は義務化されます。

義務的支援は以下10項目となります。

  • 義務的支援10項目
  • 事前ガイダンス
  • 出入国する際の送迎
  • 住居確保・生活に必要な契約支援
  • 生活オリエンテーション
  • 公的手続等への同行
  • 日本語学習の機会の提供
  • 相談・苦情への対応
  • 日本人との交流促進
  • 転職支援(人員整理等の場合)
  • 定期的な面談・行政機関への通報

特定技能で自社支援を行うメリット・デメリット

特定技能外国人を自社支援するメリット・デメリットを紹介いたします。

自社支援のメリット

自社支援を行うメリットとして、外部委託費用の削減が挙げられます。登録支援機関に支援を委託した場合、特定技能外国人1人につき、月2〜3万円の委託料が必要です。自社で支援を行うことで、委託料を削減できます。

また、支援を自社で行うことで、特定技能外国人と密接にコミュニケーションを図れます。特定技能外国人に悩みが発生した際、気軽に相談しやすくなり、就業へのモチベーション向上に繋がります。

特定技能に関するノウハウが蓄積できるため、継続して多くの特定技能外国人を受け入れたい企業にはおすすめです。

自社支援のデメリット

自社支援には、特定技能に関する知識が必要です。自社支援の責任者や担当者は、入管法や在留資格、生活支援のための情報について熟知している必要があります。

特定技能制度は頻繁に改正されるため、常に最新、かつ、正確な情報の把握が求められます。

最新知識を網羅した、専任の支援責任者・担当者を用意するには、相応の人件費や教育費が必要です。自社支援によるコストダウンを目指していても、場合によっては委託費用より高いコストがかかってしまう場合も考えられます。

特定技能を自社支援で行う場合の全体の流れ

特定技能を自社支援で行う場合、主に以下の流れで行います。

対応時期義務的支援
ビザ申請前事前ガイダンス
入社前住居確保・生活に必要な契約支援
生活オリエンテーション
入社時出入国する際の送迎
公的手続等への同行
勤務期間中日本語学習の機会の提供
相談・苦情への対応
日本人との交流促進
定期的な面談・行政機関への通報
退職後出入国する際の送迎(帰国する場合)
転職支援(企業側の人員整理等の場合)

※【勤務期間中】の支援については、定期的、または必要な時に随時行っていきます。

まとめ

自社支援を行うには、要件を満たす担当者の選定や、書類を用意・提出と、複雑で難しい手順が必要です。自社での対応が難しい場合には、国内の人材紹介会社への依頼がおすすめです。

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