在留資格とは?29種類の紹介と外国人労働者を受け入れる企業の注意点を紹介
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「外国人を採用したいが、在留資格が何種類あって、どれならうちの仕事をさせられるのか分からない」——初めて外国人採用を検討する製造業のご担当者様から、必ずいただくご相談です。人材会社から「技人国は難しい」「特定技能なら」と言われても、用語自体が理解できていなければ判断のしようがありません。
在留資格とは、外国人が日本に滞在し一定の活動を行うことを認める資格で、現在29種類あり、就労の可否によって「制限なし」「活動範囲内で就労可」「就労不可」「特定活動」の4つに分類されます。重要なのは、29種類すべてを覚えることではありません。自社の業務に使えるのはどれかを見分けられるようになることです。
この記事では、在留資格29種類の全体一覧と就労可否による分類、製造業の現場作業に使える在留資格の逆引き、そして在留カードの確認方法——2026年6月に始まった特定在留カードを含めて——を整理します。
- この記事の要点
- 在留資格は29種類。うち就労できるのは身分に基づく4資格と、活動範囲内で就労可能な19資格
- 単純作業(製造ラインなど)ができるのは、身分に基づく4資格・特定技能・技能実習に限られる
- 令和7年10月末の外国人労働者数は257万1,037人で過去最多(前年比+11.7%)
- 在留資格別では「専門的・技術的分野」865,588人が最多に。身分に基づく在留資格を上回った
- 2026年6月14日から、在留カードとマイナンバーカードを一体化した「特定在留カード」の運用が始まった
- 不法就労助長罪は2025年6月に厳罰化され、5年以下の懲役または500万円以下の罰金に
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目次
在留資格とは?【29種類の全体一覧】
まず全体像を押さえます。29という数字に身構える必要はありません。就労の可否で4つに束ねると、驚くほど見通しが良くなります。ここを理解すれば、あとは自社の業務に当てはめるだけです。
在留資格の定義と4つの分類
在留資格とは、日本における外国人の滞在と一定の活動を認める資格です。出入国管理及び難民認定法(入管法)が、在留資格ごとに日本で認める活動の範囲と在留期限を定めています。
29種類は、就労の可否によって次の4つに分類できます。
| 分類 | 数 | 在留資格 | 就労 |
|---|---|---|---|
| ① 活動制限のない在留資格(身分に基づく) | 4 | 永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者 | 制限なし(単純作業も可) |
| ② 活動範囲が定められた在留資格 | 19 | 外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職1号・2号、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能、技能実習 | 範囲内でのみ可 |
| ③ 就労活動が認められない在留資格 | 5 | 文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在 | 原則不可(資格外活動許可があれば一部可) |
| ④ その他の在留資格 | 1 | 特定活動 | 許可内容による |
この表さえ手元にあれば、在留カードに書かれた資格名から就労の可否を判断できます。なお、同時に2種類の在留資格を持つことはできません。「留学」と「技術・人文知識・国際業務」を両方持つ、といったことは制度上あり得ません。
ビザ(査証)と在留資格の違い
現場でよく混同されます。両者は別物です。
| 項目 | ビザ(査証) | 在留資格 |
|---|---|---|
| 発行主体 | 外務省(在外の日本大使館・領事館) | 出入国在留管理庁(法務省) |
| タイミング | 日本に入国する前 | 日本に上陸する時点で決定 |
| 役割 | 入国を申請するための推薦状・許可証 | 日本での滞在と活動を認める資格 |
| 効力 | 上陸審査が終われば役目を終える | 在留期間中ずっと効力を持つ |
「就労ビザ」という言葉が日常的に使われますが、法律上そのような在留資格はありません。正確には「就労が可能な在留資格」です。採用の可否を判断する際に見るべきはビザではなく在留資格です。
在留資格が取得できないケース
在留資格は、原則として日本国籍を持たない外国人が対象です。取得要件は資格ごとに異なりますが、次に該当する場合は在留資格の取得どころか入国の許可も下りません。海外現地の人材を採用する際の前提知識として押さえておいてください。
法律に違反して刑罰を受けたことがある場合、麻薬や薬物を継続的に使用している場合、銃器や刃物類を違法に保持している場合、過去に国外退去処分を受けたことがある場合、出国命令制度を利用して日本を離れた場合、犯罪歴があり品行に問題がある場合——これらが代表的です。
就労できる在留資格・できない在留資格
「働けるかどうか」だけでは足りません。「何をさせられるか」まで見ないと、不法就労助長罪のリスクを負います。分類ごとに見ていきます。
① 活動制限のない在留資格(身分に基づく在留資格)
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者の4種です。日本人と同様に就労活動に制限がなく、単純作業への就業も可能です。
| 資格 | 説明 |
|---|---|
| 永住者 | 法務大臣から永住許可を受け、日本に無期限で滞在できる |
| 定住者 | 法務大臣が特定の事情を考慮し、一定期間の居住を認めた人(日系人など) |
| 日本人の配偶者等 | 日本人の配偶者、実子、特別養子 |
| 永住者の配偶者等 | 永住者の配偶者や実子 |
在留資格の性質上、日本語が堪能で日本の文化に馴染んでいる方が多い傾向があります。製造業にとっては最も制約が少ない選択肢です。
② 活動範囲内で就労が可能な在留資格
19種類あります。在留期間は資格ごとに異なります。
| 資格 | 説明 | 在留期間 |
|---|---|---|
| 外交 | 外国政府の大使などの外交活動やその家族の活動 | 外交活動の期間 |
| 公用 | 大使館・領事館の職員やその家族としての活動 | 5年、3年、1年、3か月、30日、15日 |
| 教授 | 大学などで研究や研究指導を行う活動 | 5年、3年、1年、3か月 |
| 芸術 | 作曲家、作家、画家などの芸術活動 | 5年、3年、1年、3か月 |
| 宗教 | 外国宗教団体から派遣された宣教師の活動 | 5年、3年、1年、3か月 |
| 報道 | 外国の報道機関の記者やカメラマンとしての活動 | 5年、3年、1年、3か月 |
| 高度専門職1号・2号 | 高度学術研究、高度専門技術、高度経営管理の活動 | 5年、または無期限(2号) |
| 経営・管理 | 企業の経営者や管理者としての活動 | 5年、3年、1年、4か月、3か月 |
| 法律・会計業務 | 弁護士、公認会計士などの資格を持つ者の活動 | 5年、3年、1年、3か月 |
| 医療 | 資格を有する医師、歯科医師、看護師の活動 | 5年、3年、1年、3か月 |
| 研究 | 政府関係機関や企業で研究者としての活動 | 5年、3年、1年、3か月 |
| 教育 | 教育機関で語学教師などとしての活動 | 5年、3年、1年、3か月 |
| 技術・人文知識・国際業務 | 大学で学んだ知識や実務経験に基づく活動(技術者、デザイナー、通訳など)。単純労働は含まない | 5年、3年、1年、3か月 |
| 企業内転勤 | 外国の事業所から日本の支店・本店への転勤。活動範囲は技人国に準ずる | 5年、3年、1年、3か月 |
| 介護 | 介護福祉士の資格を持つ者が介護やその指導に従事する活動 | 5年、3年、1年、3か月 |
| 興行 | 俳優、歌手、プロスポーツ選手などとしての活動 | 3年、1年、6か月、3か月、15日 |
| 技能 | 特殊で熟練した技能を要する活動(外国料理の調理師、スポーツ指導者など) | 5年、3年、1年、3か月 |
| 特定技能 | 1号:16分野での一定の知識・経験が必要な業務/2号:11分野での熟練技能を要する業務 | 1号:通算最大5年/2号:3年、1年、6か月 |
| 技能実習 | 技能・技術・知識の開発途上地域等への移転を目的とした実習 | 1号・2号・3号で最長5年 |
このうち「技術・人文知識・国際業務」から「技能」までは「専門的・技術的分野の在留資格」と総称され、単純労働は認められていません。ここが製造業にとって最大の分岐点になります。
なお、特定技能1号は2024年に4分野が追加されて現在16分野で受入れが行われています(さらにリネンサプライ・物流倉庫・資源循環の3分野が2027年頃の受入れ開始見込み)。「12分野」と書かれた情報は古いのでご注意ください。
③ 就労活動が認められない在留資格
文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在の5種です。在留資格に含まれていない収益活動は禁止されています。
| 資格 | 説明 |
|---|---|
| 文化活動 | 収入を伴わない学術・芸術活動(日本文化の研究者など) |
| 短期滞在 | 観光、スポーツ、親族訪問など。90日以内 |
| 留学 | 教育機関で教育を受けることを目的とする |
| 研修 | 公的または民間機関で技能や知識を習得することを目的とする |
| 家族滞在 | 「教授」「研究」「介護」「特定技能2号」などの扶養を受ける配偶者または子 |
ただし、あらかじめ出入国在留管理庁から「資格外活動許可」を得た場合は、許可された範囲内で収益活動ができます。留学生や家族滞在者のアルバイトが典型で、原則として1週間あたり28時間以内です。
この28時間は厳格に運用されています。実際、ラーメンチェーン「一蘭」では週28時間を超えて留学生を働かせたとして、社長を含む7人と法人が入管法違反(不法就労助長)の疑いで書類送検された事例があります。
④ その他の在留資格(特定活動)
「特定活動」は、他の在留資格に該当しない個別の事情に対して、法務大臣が個々に活動を指定する在留資格です。
指定される内容は多岐にわたり、ワーキングホリデー、外交官等の家事使用人、EPAに基づく看護師・介護福祉士候補者、就職活動継続のための滞在、特定技能への移行準備期間などがあります。就労の可否は、個々に交付される「指定書」の内容次第です。
在留カードに「特定活動」とだけ書かれていても、それだけでは就労可否を判断できません。必ずパスポートに添付された指定書を確認してください。
【製造業向け】現場作業に使える在留資格はどれか
一覧を眺めても「で、うちはどれ?」には答えが出ません。製造業の現場作業という切り口で逆引きします。
単純作業ができる資格・できない資格
製造ラインでの組立・加工・検査・梱包といった業務は、制度上「単純労働」に分類されます。これができる在留資格は、実は限られています。
| 在留資格 | 現場作業 | 備考 |
|---|---|---|
| 永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者 | ○ | 制限なし。日本人と同じ |
| 特定技能1号・2号 | ○ | ただし分野と業務区分の範囲内に限る |
| 技能実習 | ○ | 実習計画の範囲内。2027年4月に育成就労へ移行 |
| 技術・人文知識・国際業務 | × | 単純労働は認められない |
| 企業内転勤 | × | 技人国に準ずるため不可 |
| 留学・家族滞在 | △ | 資格外活動許可があれば週28時間以内のアルバイトとして可 |
| 短期滞在 | × | 就労不可 |
| 特定活動 | △ | 指定書の内容による |
技人国では現場作業をさせられない理由
最も誤解が多く、最も摘発されているのがここです。
「技術・人文知識・国際業務」は、大学等で学んだ知識や実務経験を活かす業務のための在留資格です。製造ラインでの単純作業は、この活動範囲に含まれません。
実際の摘発事例があります。食品メーカーの中村屋は、通訳などの在留資格で来日したネパール人6人を、資格外の業務と知りながら埼玉工場で就労させたとして、法人と採用担当の係長が入管法違反(不法就労助長)容疑で書類送検されました。採用担当者は「違法と分かっていた。人手不足解消のためだった」と述べたと報じられています。
「人手不足だから」は理由になりません。在留資格の範囲を超えた就労は、企業側が処罰される行為です。
製造業の現実解は特定技能・技能実習・身分系
整理すると、製造業が現場人材として外国人を受け入れる場合、選択肢は次の3つに絞られます。
身分に基づく在留資格の方(永住者・定住者など)。制限がなく最も柔軟ですが、母集団が限られ、採用競争は激しくなります。
特定技能。工業製品製造業・飲食料品製造業はいずれも対象分野です。試験合格または技能実習2号良好修了が要件で、1号は通算5年、2号なら上限なしで働けます。
技能実習——ただし2027年4月に育成就労へ移行します(後述)。
技能実習から特定技能への移行、または特定技能での直接採用が、製造業・食品工場での主流です。
「うちのラインに入ってもらえるのは、結局どの在留資格なのか」
在留資格の選択を誤ると、採用が無駄になるだけでなく、企業側が処罰される可能性もあります。製造業・食品工場に特化したキャリアリンクファクトリーが、貴社の業務内容に合った在留資格と人材をご提案します。初めての外国人採用でもご安心ください。
在留資格別に見る外国人労働者数の最新動向
制度の話に加えて、市場の実態も押さえておきましょう。数字を見ると、いま日本の外国人雇用がどこへ向かっているかがはっきりします。そして、構造が変わりました。
外国人労働者数は257万1,037人で過去最多
厚生労働省が公表した「外国人雇用状況」の届出状況によると、令和7年10月末時点の外国人労働者数は2,571,037人で、前年比268,450人の増加(+11.7%)。届出が義務化された平成19年以降、過去最多を更新しました。
外国人を雇用する事業所数も371,215所で、前年比29,128所の増加(+8.5%)。こちらも過去最多です。
【構造変化】「専門的・技術的分野」が最多に
ここが最も重要な変化です。在留資格別の順位が入れ替わりました。
| 在留資格の区分 | 令和7年10月末 | 前年比 | 増加率 |
|---|---|---|---|
| 専門的・技術的分野の在留資格 | 865,588人 | +146,776人 | +20.4% |
| 身分に基づく在留資格 | 645,590人 | +16,473人 | +2.6% |
| 技能実習 | 499,394人 | +28,669人 | +6.1% |
かつては「身分に基づく在留資格」が最多でしたが、現在は「専門的・技術的分野の在留資格」が最多です。しかも増加率は+20.4%と突出しています。
この区分には特定技能が含まれます。つまり、日本の外国人雇用の主役が、日系人などの身分系から、特定技能を中心とした専門的・技術的分野へと移りつつあるということです。
製造業にとっての意味は明確です。身分系人材の獲得競争に張り続けるより、特定技能の受入れ体制を整えるほうが、市場の流れに沿っています。
国籍別の内訳
| 国籍 | 人数 | 構成比 |
|---|---|---|
| ベトナム | 605,906人 | 23.6% |
| 中国 | 431,949人 | 16.8% |
| フィリピン | 260,869人 | 10.1% |
ベトナムが最多で全体の4分の1近くを占めます。製造業・食品工場の現場でも、ベトナム人材の比率が最も高い状況です。
※統計はいずれも厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点・2026年1月30日公表)によります。
【2027年4月】技能実習が育成就労に変わる
在留資格の一覧は、いま動いている最中です。29種類のうち1つが姿を消し、新しいものが加わります。長期の人員計画を立てている企業ほど、影響を受けます。
在留資格「技能実習」の廃止と「育成就労」の新設
技能実習制度に代わる育成就労制度が、2027年4月1日に施行されます。技能実習は「国際貢献・人材育成」を目的としていましたが、育成就労は「人材確保と人材育成」を目的として明確に位置づけられました。実態と建前の乖離を解消する改正です。
育成就労は原則3年・特定技能1号への移行が前提
育成就労の在留期間は原則3年で、その後は特定技能1号への移行が想定されています。
| 制度 | 育成/実習の期間 | +特定技能1号 | 最長 |
|---|---|---|---|
| 技能実習3号まで(現行) | 5年 | 5年 | 10年 |
| 育成就労(2027年4月〜) | 原則3年 | 5年 | 8年 |
技能実習3号まで進めば最長10年でしたが、育成就労では最長8年相当となり、実質的に2年短くなります。育成就労から特定技能1号への移行には、3年の就労に加えて、技能検定3級等の合格と、A2相当以上(日本語能力試験N4相当)の日本語能力が求められる見込みです。
受入れ企業が今から準備すべきこと
2027年4月はもう1年半後です。技能実習生を受け入れている企業様は、現在の実習生を特定技能へ移行させる道筋を今のうちに描いておいてください。育成就労で日本語要件が明示されたことを踏まえると、日本語学習の機会をどう確保するかが、そのまま3年後の移行可否を左右します。
なお制度の詳細は今後も運用要領の改正等が見込まれます。最新情報は出入国在留管理庁の育成就労制度のページでご確認ください。
在留資格を確認する方法|在留カードの見方
制度を理解しても、目の前の応募者が本当にその在留資格を持っているかを確認できなければ意味がありません。そしてこの確認を怠ると、企業が処罰されます。
在留カードで確認すべき4か所
採用前に、必ず在留カードの現物で次の4点を確認してください。
| 確認箇所 | 見るポイント |
|---|---|
| 顔写真・氏名 | 本人かどうか |
| 在留期間(満了日) | 在留期限内か、オーバーステイしていないか |
| 「就労制限の有無」欄 | 就労の可否と制限内容 |
| 裏面「資格外活動許可欄」 | ③が就労不可の場合、許可を得ているか |
コピーで確認してはいけません。偽造カードはコピーでは見抜けません。必ず現物を、できれば明るい場所で確認してください。
「就労制限の有無」欄の読み方
在留カードの表面に「就労制限の有無」という欄があります。ここに書かれる内容で、就労の可否がほぼ判断できます。
「就労制限なし」なら身分に基づく在留資格で、業務内容を問わず雇用できます。「在留資格に基づく就労活動のみ可」なら、その在留資格の範囲内でのみ可能です。「就労不可」なら原則として働かせられず、裏面の資格外活動許可を確認する必要があります。「指定書により指定された就労活動のみ可」なら特定活動で、パスポートの指定書を必ず確認してください。
【2026年6月14日開始】特定在留カードにも注意
新しい動きがあります。2026年6月14日から、在留カードとマイナンバーカードの機能を1枚に統合した「特定在留カード」の運用が始まりました。
対象は住民基本台帳に記録されている中長期在留者・特別永住者で、取得は任意です。従来どおり在留カードとマイナンバーカードを2枚持ち続けることもできます。
つまり当面は、従来の在留カードを持つ方と、特定在留カードを持つ方が混在します。採用担当者としては、見慣れないカードを提示されても慌てず、記載事項(就労制限の有無など)を確認する姿勢が大切です。
偽造カードの見分け方
偽造在留カードは多数出回っており、素人が見分けるのは容易ではありません。確認手段は3つあります。
カード自体の確認。ホログラムや傾けると変化する印刷など、複数の偽造防止措置が施されています。出入国在留管理庁が「『在留カード』及び『特別永住者証明書』の見方」を公開しています。
在留カード等読取アプリケーション。入管庁が無料配布しており、ICチップの内容を読み取って偽造・改ざんの有無を確認できます。最も確実な方法です。
在留カード等番号失効情報照会。入管庁のサイトでカード番号を入力し、失効していないか確認できます。ただし実在する番号を悪用した偽造カードも存在するため、番号が有効でもカードが本物とは限りません。読取アプリと併用してください。
外国人労働者を受け入れる際の注意点
最後に、企業が負うリスクを正確に押さえておきます。この罪の怖さは、「知らなかった」が通用しない点にあります。
就労活動と在留期間の二重の制限
在留資格には、活動の範囲と在留期間という2つの制限があります。どちらか一方でも超えれば不法就労です。
活動範囲を超えた例が前述の中村屋のケース、在留期間を超えた例がオーバーステイです。在留期限は在留カードに記載されていますので、社内で更新期限を管理する仕組みを作ってください。特定技能なら更新は3か月前から可能で、審査に1〜3か月かかります。
海外在住者の雇用は企業が在留資格を申請する
海外にいる外国人を採用する場合、本人が日本にいないため、受入れ企業が在留資格認定証明書交付申請を行います。企業側の書類が中心になり、支援計画の作成なども必要です。
準備から入国まで、入社予定日の4〜5か月前からの着手をお勧めします。
【2025年6月厳罰化】不法就労助長罪のリスク
ここが最重要です。不法就労助長罪の罰則は2025年6月に引き上げられました。
| 時期 | 罰則 |
|---|---|
| 改正前 | 3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方 |
| 2025年6月〜 | 5年以下の懲役または500万円以下の罰金、またはこれらの併科 |
そして決定的に重要なのが、故意でなくても処罰されるという点です。「不法就労だと知らなかった」場合でも、企業側に過失が認められれば適用されます。
ここでいう過失とは「うっかりしていた」レベルを指します。「在留カードをよく確認しなかった」「不安な点があったが専門家に聞かなかった」——これらは過失と見なされ得ます。逆に「確認を徹底したが偽造カードを見抜けなかった」という場合は、評価が変わる可能性があります。
処罰されるのは法人と担当者の両方です。また、外国人を直接雇用していなくても、あっせんした者、宿舎を提供した者、パスポートを預かった者なども対象になり得ます。
外注化で知識不足と手間を解消する
ここまでお読みいただいて、「制度が複雑すぎる」と感じられたのではないでしょうか。在留資格の選定、在留カードの真贋確認、申請書類の作成、在留期限の管理——他業務と兼務の担当者が独力で完結させるのは容易ではありません。
不法就労助長罪は2025年6月に厳罰化され、5年以下の懲役または500万円以下の罰金に。しかも故意でなくても、確認不足という過失があれば法人も担当者も処罰対象です。在留資格の判断に少しでも不安があるうちは、製造業特化のキャリアリンクファクトリーにご相談ください。
在留資格に関するよくある質問
Q1. 在留資格は何種類ありますか?
A. 29種類です。就労制限のない「身分に基づく在留資格」が4種、活動範囲内で就労できる資格が19種、就労が認められない資格が5種、そして「特定活動」が1種という内訳です。
Q2. 製造ラインの単純作業をさせられる在留資格は?
A. 身分に基づく4資格(永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者)と、特定技能、技能実習に限られます。「技術・人文知識・国際業務」では単純労働は認められません。
Q3. ビザと在留資格の違いは?
A. ビザ(査証)は外務省が発行する入国前の許可証で、上陸審査が終われば役目を終えます。在留資格は入国後の滞在と活動を認める資格で、在留期間中ずっと効力を持ちます。採用の可否判断で見るべきは在留資格です。
Q4. 留学生をアルバイトで雇えますか?
A. 資格外活動許可を得ていれば、原則として週28時間以内で雇用できます。在留カード裏面の資格外活動許可欄で確認してください。28時間を超えると不法就労となり、企業も処罰されます。
Q5. 技能実習はなくなるのですか?
A. 2027年4月1日に育成就労制度へ移行します。育成就労は原則3年で、その後は特定技能1号への移行が想定されています。技能実習3号まで進めば最長10年でしたが、育成就労では最長8年相当になる見込みです。
まとめ
在留資格は29種類あり、就労の可否によって4つに分類されます。制限のない身分系が4種、活動範囲内で就労できるものが19種、就労が認められないものが5種、そして特定活動が1種です。
製造業にとって重要なのは、種類の暗記ではありません。現場作業に使えるのは、身分に基づく4資格・特定技能・技能実習に限られるという一点です。「技術・人文知識・国際業務」で単純作業をさせることはできません。人手不足はその理由になりません。
市場も動いています。令和7年10月末の外国人労働者数は257万1,037人で過去最多。そして在留資格別では「専門的・技術的分野」が865,588人で最多となり、身分に基づく在留資格を上回りました。特定技能を含むこの区分は前年比+20.4%と突出しています。日本の外国人雇用の主役が交代しつつあるということです。
制度も動きます。2027年4月に技能実習が育成就労へ移行し、最長在留は10年から8年相当へ。2026年6月14日には特定在留カードの運用が始まりました。
そして忘れてはならないのが、不法就労助長罪は2025年6月に5年以下の懲役または500万円以下の罰金へ厳罰化され、故意でなくても過失があれば処罰されるという事実です。在留カードは必ず現物で、就労制限の有無まで確認してください。


