【2026年】ミャンマー特定技能の受け入れ|出国制限と費用

外国人雇用
公開日:24.01.24/更新日26.09.16
【2026年】ミャンマー特定技能の受け入れ|出国制限と費用

2026年現在、ミャンマー現地から特定技能外国人を新たに呼び寄せることは、極めて困難です。 2025年2月の改定により、18〜35歳の男性は就労目的での海外出国が原則禁止されました。在留資格認定証明書(COE)を取得済みであっても、空港の出国ゲートで止められる事例が報告されています。

「ミャンマー人は勤勉で日本語の上達も早い」——これは事実です。ただ、その評判を信じて現地からの受け入れ計画を立てると、時間と費用を投じたうえで人が来ないという事態になりかねません。

打つ手がないわけではありません。国内在留のミャンマー人であれば、送出機関を通す必要がなく、徴兵制の影響も受けません。現在、最も現実的なルートです。

この記事では、2025年2月以降のミャンマーの出国制限の実態、国内在留者という現実的な受け入れルート、手続きと費用を整理します。


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目次

ルート別・受け入れ可否の早見表

ルート現状備考
現地から呼び寄せ|18〜35歳男性極めて困難就労目的の出国が原則禁止。COE取得済みでも出国できない事例あり
現地から呼び寄せ|女性困難制度上は可能だが、送出機関の求人枠が月15人に制限
国内在留者の採用可能送出機関不要・徴兵制の影響なし・手続きが簡略。現在の現実解
  • この記事の要点
  • 2025年2月4日の改定で、18〜35歳男性は就労目的での海外出国が原則禁止
  • COE(在留資格認定証明書)を取得済みでも、空港で止められる事例が報告されている
  • 2025年2月以降、OWIC(スマートカード)の新規発給が一時停止。3月に再開したが月に数百〜千件未満に抑制
  • デマンドレターは1送出機関あたり月1回・上限15名。女性も実質的に制限される
  • 国内在留のミャンマー人なら、送出機関を通さず採用でき、徴兵制の影響も受けない
  • ミャンマーはフィリピンを抜いて国籍別3位に浮上(令和7年12月末)。すでに日本にいる人材は増えている

【2026年最新】ミャンマーからの受け入れは今どうなっているか

現状から説明いたします。

18〜35歳男性は就労目的の出国が原則禁止

2025年2月4日に発表された改定により、徴兵対象年齢が大幅に拡大され、18〜35歳の男性は就労目的での海外出国が原則禁止されました。

製造業で受け入れたい年齢層と、ほぼ完全に重なります。「20代の男性を5名」という、これまで当たり前だった要望が、今は通りません。

COE取得済みでも空港で止められる事例がある

在留資格認定証明書(COE)を取得済みであっても、出国できないケースが発生しています。すべての出国手続きが完了していたにもかかわらず、空港の出国ゲートで止められてしまう事例が報告されています。

日本側の手続きが完璧でも、ミャンマー側で止まる——これが現在の構造です。COEには3か月の有効期間がありますが、その間に出国できなければ、それまでの手続きはすべて無駄になります。

OWIC(スマートカード)の発給が絞られている

OWIC(Overseas Worker Identification Card/海外労働許可証)は、ミャンマー人が海外で就労するために必須の証明書です。

2025年2月以降、ミャンマー政府はOWICの新規発給を一時停止しました。 3月に再開はしたものの、月に数百〜千件未満という極端に低い発給数に抑え込まれています。

ミャンマーから日本を含む各国へ渡航を希望する人が何万人といるなかでの、月数百件です。「順番待ち」の域を超えています。

発給にかかる期間が明確でないため、実務上はOWICの申請をCOE交付申請の前に行うことが推奨されています。従来の「4〜5か月」という目安も、現在は当てになりません。

デマンドレターは1機関あたり月1回・15名まで

送出機関側にも制限がかかっています。

1つの送出機関につき、デマンドレター(求人票)の受付は月1回・上限15名までに制限されています。

これは女性についても同様です。「男性が駄目なら女性で」と考えても、送出機関が発行できる日本向けの求人票が月15人に絞られているため、人数の上限で女性の出国も難しいのが実情です。

日本全国の企業が、限られた送出機関の月15枠を取り合っている状態です。

現実的な受け入れルートは「国内在留者」

すでに日本にいるミャンマー人材が、確実に増えています。

送出機関を通す必要がない

国内在留のミャンマー人を採用する場合、現地の送出機関を通す必要がありません。

デマンドレターの月15枠も、送出機関の選定リスクも、関係なくなります。

徴兵制の影響を受けない

すでに日本に在留している方は、出国制限の対象外です。空港で止められる心配もありません。日本国内での在留資格変更・転職という手続きになるため、ミャンマー側の情勢に左右されずに進められます。

手続きが大幅に簡略化される

現地からの呼び寄せに必要だった、MOLIP(労働・入国管理・人口省)の承認、OWICの取得、査証申請、渡航手配——これらがすべて不要になります。

在留資格変更許可申請だけで完結します。期間も、現地からの呼び寄せが4〜5か月かかるのに対し、1〜3か月程度で済みます。

どこから探すか

国内在留のミャンマー人材の主なルートは3つです。

  • 主なルート
  • 他社からの転職者。すでに特定技能で働いている方が、同一分野・同一業務区分内で転職するケースです。
  • 技能実習からの移行。技能実習2号を良好に修了していれば、技能試験・日本語試験が免除されます。
  • 留学生からの切り替え。試験に合格すれば、留学から特定技能へ在留資格を変更できます。

特定技能ミャンマー人の在留状況

出入国在留管理庁の統計で現状を確認します。

フィリピンを抜いて3位に浮上

令和7年12月末時点の特定技能外国人(1号+2号)は390,296人で過去最高。国籍別ではベトナムが164,352人(構成比42.1%)で最多です。

そしてミャンマーが、フィリピンを上回って3位に浮上しました。特定技能1号ベースでは、令和7年6月末比で+24.6%という高い伸びを示しています。

国籍順位
ベトナム1位(164,352人・42.1%)
インドネシア2位
ミャンマー3位(フィリピンを上回り浮上)
フィリピン4位
中国5位

現地からの出国が制限されているにもかかわらず、ミャンマー人の在留数は増え続けています。理由は、すでに日本にいる方の在留資格変更・移行が進んでいるためです。日本国内のミャンマー人材市場は、むしろ厚みを増しています。ベトナム一極集中から多様化が進むなか、ミャンマーは有力な選択肢であり続けています。

人気職種

ミャンマー人材に人気があるのは、介護、外食・宿泊、ビルクリーニング、農業などです。特に介護は、仏教的価値観に基づく他者奉仕の考え方と親和性が高いとされています。製造業でも、真面目さと手先の器用さから評価が高い人材です。

ミャンマー人材のメリット

① 平均年齢が若く、適応力が高い

ミャンマーは人口ボーナス期が続いており、若年層が厚い国です。新しい環境への適応力、技能の習得スピードという点で、若さは実務上の利点になります。

※人口統計は年次によって変動します。最新の数値は国際機関の統計でご確認ください。

② 勤勉で真面目な国民性

ミャンマーは仏教国であり、その価値観が労働観にも表れているといわれます。目上の人を敬う、約束を守る、地道な作業を厭わない——日本の製造現場と相性がよい資質です。

③ 日本語の上達が比較的早い

ミャンマー語は日本語と語順が似ています(主語+目的語+動詞)。また発音にも共通点があるため、他国の人材と比べて日本語学習の効率が高いとされます。安全指示や作業指示が通じるかどうかは製造現場では死活問題です。日本語習得の早さは、そのまま現場の安全性につながります。

④ 日本で働きたい若者が多い

軍事クーデター後の経済悪化により、国内で十分な収入を得ることが難しい状況が続いています。日本との賃金差は大きく、日本志向が非常に強いのが実情です。

「働きたい人は大勢いるのに、出国できない」——これが現在の構造です。だからこそ、すでに日本にいる人材の価値が上がっています。

⑤ 介護職を希望する人材が多い

仏教的価値観に基づく他者奉仕の考え方から、介護職を積極的に希望する方が多いのが特徴です。介護分野で人材を探している企業にとっては、有力な選択肢になります。

現地から呼び寄せる場合の手続き

将来的に情勢が改善した場合に備えて、正規の手続きを整理します。ただし現在は前述の制限がかかっており、以下の手続きが完了しても出国できない可能性がある点はご留意ください。

① 政府認定送出機関を通す

ミャンマーからの受け入れは、ミャンマー政府が認定する送出機関を通すことが必須です。認定送出機関のリストは、出入国在留管理庁のサイトで公開されています。

出入国在留管理庁は「ミャンマー政府から認定を一定期間無効とされた機関」のリストも公開しています。送出機関を選ぶ際は、認定リストに載っているだけでなく、無効リストに入っていないかも必ず確認してください。

また、受入機関が人材の紹介を受けるにあたっては、受入機関のみならず、利用する職業紹介事業者や認定送出機関も職業安定法に抵触しないことが求められます。

② MOLIPの承認

求人票(デマンドレター)を送出機関経由でMOLIP(労働・入国管理・人口省)に提出し、承認を得ます。1送出機関あたり月1回・15名までの制限がかかります。

③ OWIC(スマートカード)の取得

海外就労に必須の許可証です。現在は発給が月数百〜千件未満に抑制されています。

実務上は、OWICの申請をCOE交付申請の前に行うことが推奨されます。発給時期が読めないため、COEの3か月の有効期間内に間に合わない事態を避けるためです。

④ 日本側の在留諸申請

ミャンマーについては、ミャンマー側の手続を行ったことを証明する書類を、在留諸申請において提出する必要はありません。日本側の申請は、通常の特定技能と同じ流れです(在留資格認定証明書交付申請 → 査証申請 → 入国)。

二国間協定(MOC)について

日本とミャンマーは、2019年3月28日に協力覚書(MOC)の署名・交換を行いました。悪質な仲介事業者の排除に努め、円滑かつ適正な送出し・受入れを促進することが目的です。

このMOCは、2024年3月29日に文書が署名・交換され、2024年4月1日から5年間更新されています。制度的な枠組み自体は継続しています。

受け入れ費用

費用の全体像です。国内在留者を採用する場合、送出機関手数料と渡航費は不要になります。

項目目安国内在留者の場合
人材紹介費用20〜60万円/人発生する
送出機関手数料上限1,500ドル(約21万円)※原則労働者負担だが企業負担も可不要
渡航費用ローシーズン4〜8万円/ハイシーズン7〜15万円不要
住居費用敷金・礼金・家具家電(企業負担のケースが多い)発生する
在留資格申請の代行10〜20万円/件発生する
義務的支援の委託費月2〜3万円/人発生する
協議会費用分野による(建設分野のみ入会金・月会費・負担金あり)同左

※金額は2026年時点の業界情報に基づく推計です。実際の費用は依頼先・条件により異なります。

【重要】在留資格の手数料が2026年10月から上がる

2025年4月1日から、在留資格変更・在留期間更新の手数料は4,000円から6,000円(オンライン5,500円)に改定されました。さらに2026年8月25日の閣議決定で政令が正式決定し、2026年10月1日から在留期間の長さに応じた手数料が確定しています。

許可される在留期間窓口申請オンライン申請
3ヶ月以下10,000円10,000円
3月超6月以下18,000円15,000円
6月超1年未満25,000円21,000円
1年(特定技能1号の標準的な更新)33,000円27,000円
1年超3年未満48,000円42,000円
3年以上5年未満64,000円56,000円
5年以上75,000円65,000円

現在の6,000円から5倍以上です。「収入印紙代4,000円」という情報を目にすることがありますが、すでに2世代前の数字です。

給与・福利厚生

特定技能外国人の報酬は、同一業務に従事する日本人と同等額以上であることが求められます。「安く雇える」制度ではない点は、他国籍と同じです。

ミャンマー人の国民性と受け入れ時の配慮

人材の質が高くても、受け入れ側の理解がなければ定着しません。実務的な注意点を整理します。

挨拶の習慣が日本と異なる

ミャンマーには、日本のような「おはようございます」「お疲れさまです」を毎回交わす習慣が強くありません。挨拶がないことを「やる気がない」と受け取るのは誤解です。

日本では挨拶が重要な文化であることを、最初に伝えてください。理由を説明すれば、真面目に実践してくれる方がほとんどです。

人前で叱責されることへの耐性が低い

ミャンマーでは、人前で叱ることが強い侮辱と受け取られます。

現場でつい大声で注意してしまう——製造業ではありがちですが、ミャンマー人材に対しては、離職に直結しかねません。注意する必要があるときは、個別に、静かに、理由を添えて伝えてください。

宗教・文化への配慮

仏教徒が多数を占めます。信仰に関わる習慣を尊重する姿勢が、信頼関係の土台になります。

ミャンマー人の特定技能受け入れに関するよくある質問

Q1. ミャンマー人は今も採用できますか?

A. 国内在留者であれば可能です。現地からの新規受入れは、2025年2月からの出国制限により極めて困難です。18〜35歳男性は就労目的の出国が原則禁止されており、COE取得済みでも空港で止められる事例が報告されています。

Q2. なぜ出国できないのですか?

A. 2025年2月4日の改定で徴兵対象年齢が拡大され、18〜35歳の男性は就労目的での海外出国が原則禁止されたためです。あわせてOWIC(スマートカード)の発給も月数百〜千件未満に抑制されています。

Q3. 女性なら出国できますか?

A. 制度上は男性より制約が少ないものの、送出機関が発行できる日本向けの求人票が月15人に制限されているため、実質的に人数が絞られています。「男性が駄目なら女性で」という切り替えは、現実には容易ではありません。

Q4. OWICとは何ですか?

A. Overseas Worker Identification Card(海外労働許可証)、通称スマートカードです。ミャンマー人が海外で就労するために必須の証明書ですが、2025年2月以降、新規発給が絞られています。発給時期が読めないため、COE交付申請の前に申請することが推奨されます。

Q5. ミャンマー人の受け入れ費用はいくらですか?

A. 人材紹介費用が20〜60万円/人、送出機関手数料が上限1,500ドル(約21万円)、渡航費が4〜15万円、義務的支援の委託費が月2〜3万円などです。国内在留者を採用する場合、送出機関手数料と渡航費は不要になります。なお在留資格の手数料は2026年10月1日から段階制に改定されます(政令で確定済み)。1年更新なら窓口33,000円です。

まとめ

ミャンマー人材は、若く、勤勉で、日本語の上達も早い——この評価は事実です。

ただし2026年現在、現地から新たに呼び寄せることは極めて困難です。 2025年2月4日の改定により18〜35歳男性は就労目的での海外出国が原則禁止され、COEを取得済みでも空港の出国ゲートで止められる事例が報告されています。OWICの発給は月数百〜千件未満に絞られ、デマンドレターも1送出機関あたり月1回・15名までに制限されています。

「ミャンマーから5名」という計画は、いま立てないほうが賢明です。

一方で、打つ手はあります。国内在留のミャンマー人であれば、送出機関を通す必要がなく、徴兵制の影響も受けません。手続きは在留資格変更許可申請だけで完結し、期間も1〜3か月程度です。

そして、ミャンマーはフィリピンを抜いて国籍別3位に浮上しました(令和7年12月末)。現地からの出国が制限されていても、すでに日本にいる方の移行が進み、国内のミャンマー人材市場はむしろ厚みを増しています。

問題は「ミャンマー人材を諦めるかどうか」ではなく、「どこにどう当たるか」です。


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