特定技能における送り出し機関とは?その役割と二国間協定について紹介

外国人雇用
公開日:24.01.18/更新日:24.01.29
特定技能における送り出し機関とは?その役割と二国間協定について紹介

特定技能制度により、多くの企業が人手不足の課題を解決しています。2019年4月に特定技能制度が施行されて以降、特定技能で働く外国人労働者は年々増加し、2023年6月時点で約17万人が日本で働いています。

しかし、「特定技能制度による外国人の受け入れ方法がわからない」「送り出し機関とは何か?」といった疑問を持つ企業も多く、受け入れが進んでいない状況があります。

この記事では、特定技能における送り出し機関についての基本情報と、送り出し機関に密接に関連する二国間協定について詳しく紹介します。

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特定技能における送り出し機関とは?利用は必須なのか?

特定技能における送り出し機関とは?利用は必須なのか?

特定技能制度は、日本の労働力を補うために特定の分野で働く外国人労働者を受け入れることを目的としております。この制度の運用において、重要な役割を果たすのが「送り出し機関」です。

送り出し機関とは、外国人労働者を海外(現地)から日本に送り出す組織やエージェントのことです。特定技能以外にも、技能実習や技術・人文知識・国際業務など、さまざまな在留資格で外国人の送り出しに関与します。

特定技能における送り出し機関の役割について

在留資格によって異なる要件や規制が存在するため、送り出し機関の役割は在留資格によって異なります。

特定技能における送り出し機関は、外国人労働者の募集を行い、候補者が日本語能力と技術レベルの試験に合格しているか確認し、日本の受け入れ機関に紹介する役割を担います。

特定技能では送り出し機関の利用は必須ではない?

特定技能制度において、送り出し機関の利用は必須ではありません。受け入れを行う企業が直接採用活動を行うことが可能な場合、送り出し機関を利用せずに受け入れを進めることができます。

特に、日本国内に在留している「技能実習2号」を良好に修了した外国人は、特定技能の在留資格に移行できるため、送り出し機関を利用しなくても受け入れが容易に進むことがあります。

補足:技能実習制度では送り出し機関の利用は必須

技能実習では多くの実習機関が「団体監理型」を活用しており、この形式では送り出し機関を通じた手続きが必要です。

団体監理型とは、非営利の管理団体が技能実習生を受け入れ、その傘下にある企業や組織で技能実習を実施する方式です。

送り出し機関は、技能実習生と日本の監理団体との間で連絡を取り次ぐ役割を担います。

技能実習を行う多くの企業が、送り出し機関と契約し、団体監理型を活用しております。そのため、送り出し機関と聞くと技能実習制度のイメージが強い方もいるかもしれません。

例外として、「企業単独型」で技能実習を実施する場合は、送り出し機関の利用は必須ではありません。企業単独型とは、管理団体を介さず、個別の企業が直接外国人技能実習生を受け入れ、管理と教育を自ら行う方式です。実施条件が難しく、ごく少数の企業しか活用しておりません。

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特定の送り出し機関を利用しなければならないケースもある

特定の送り出し機関を利用しなければならないケースもある

特定技能において送り出し機関の利用は必須ではありませんが、送り出し国によっては送り出し機関の利用を義務づけている場合があります。今回はベトナム、フィリピン、ミャンマー、カンボジアの4カ国について紹介します。

国ごとに特有の手続きや、制度の変更がある場合もありますので、最新情報を入国管理局の国別情報を確認することが重要です。

参考:出入国在留管理庁|特定技能に関する各国別情報

ベトナム国籍の雇用の場合

ベトナムより特定技能外国人を受け入れる場合、ベトナム労働・傷病兵・社会問題省海外労働管理局(DOLAB)認定の送り出し機関の利用が必須です。

ベトナムには多数の送り出し機関が存在しており、法律に違反する不正な機関も存在します。これがベトナムで問題視されており、特定技能制度ではDOLAB認定の送り出し機関の利用が必須となっています。

DOLAB認定の送り出し機関と「労働者提供契約」を締結し、DOLABに承認された後、人材紹介が開始されます。その他、認定の送り出し機関は、DOLABに推薦者表(在留資格取得申請において必要な書類)の発行を申請する役割を担います。

認定送り出し機関は、ベトナムの関連政府機関のウェブサイトから確認することができます。

参考:ベトナムの認定送り出し機関

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フィリピン国籍の雇用の場合

フィリピン人を受け入れる場合、フィリピン政府公認の送り出し機関の利用が必要となります。また、日本に在留するフィリピン人材を受け入れる場合にも同様です。

フィリピン政府は海外で働くフィリピン人労働者の権利と福祉を保護することに重点を置いており、その一環として送り出し機関が選定されています。

提携できる送出機関は、原則として1社のみというルールもあり注意が必要です。受け入れまでの流れは、まずフィリピン政府公認の送り出し機関と人材紹介契約を締結します。

フィリピン移住労働者事務所に書類を提出後、フィリピン労働担当官と受け入れ企業とが面接をし承認・登録を受けることで人材の募集や人材紹介が開始します。

認定の送り出し機関は、フィリピン移住労働者省に海外雇用許可証の申請を提出し、発行された許可証を労働者に送付する役割を担います。

認定送り出し機関は、フィリピンの関連政府機関のウェブサイトから確認することができます。

参考:フィリピンの認定送り出し機関

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ミャンマー国籍の雇用の場合

ミャンマーより特定技能外国人を受け入れる場合は、ミャンマー政府認定の送り出し機関の利用が必須です。

ミャンマー政府は、海外で働く自国の労働者を保護することに重点を置いており、政府認定の送り出し機関を通じて、ミャンマー人労働者の保護を図っています。

受け入れは、政府認定の送り出し機関経由で、ミャンマー労働・入国管理・人口省(MOLIP)へ求人票を提出し、承認を受けることで、求人票に基づく人材紹介を開始できます。

認定送り出し機関は、ミャンマーの関連政府機関のウェブサイトから確認することができます。

参考:ミャンマーの認定送り出し機関

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カンボジア国籍の雇用の場合

カンボジアより特定技能外国人を受け入れる場合、カンボジア政府認定の送り出し機関の利用が必須です。

これまで紹介した国とは役割が異なり、労働者本人が送り出し機関を通じて、登録証明書(在留資格取得申請の際に必要な書類)の発行を、カンボジア労働職業訓練省(MoLVT)に申請します。カンボジア政府認定の送り出し機関は、主に登録証明書の申請が主な役割となります。

認定送り出し機関は、カンボジアの関連政府機関のウェブサイトから確認することができます。

参考:カンボジアの認定送り出し機関

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送り出し機関の選定ポイント

送り出し機関の選定ポイント

特定技能の送り出し機関は、外国人材の募集から受け入れ企業への紹介、国ごとに必要な手続きを行います。送り出し機関によってサービス内容や費用は様々ですので、選定には注意が必要です。送り出し機関を選ぶ際に抑えておくべきポイント7選を紹介いたします。

政府認定の機関を選択する

 政府認定の送り出し機関の利用を必須とされていない場合でも、現地政府に認定されているかを確認しましょう。政府に認められている認定機関は適正な業務を行っているかを事前に審査されえており、信頼性が高い傾向にあるため、おすすめです。

担当者の日本語能力

送り出し機関の担当者の日本語の能力は非常に大切なポイントです。

担当者が十分な日本語能力を持っているかどうかを確認することで、勘違いやコミュニケーションの問題を防ぎ、連絡もスムーズに進みます。

入国前の教育内容

送り出し機関によっては、該当する外国人が日本に入国する前に、日本のルールやマナーの教育を行っております。送り出し前の教育やカリキュラムについて、教育担当者に確認しましょう。

送り出し機関によっては入国前に日本語やビジネスマナー教育を行って、送り出す機関もあります。送り出し前の教育の有無やカリキュラムについて、教育担当者に確認を取りましょう。

機関の規模と実績

送り出し機関の規模、実績、現在紹介可能な候補者数などを考慮し、安心して契約できるか検討しましょう。

支払い費用

送り出し機関への支払い費用は、上限が国によって定められております。上限金額を超えた請求をしていないか、料金体系を事前に確認しましょう。

日本国内の駐在事務所の有無

外国人人材が入国した後のフォロー体制もチェックしましょう。日本に事務所を構えていることで、労働者のメンタルケアや定期的なフォローも期待できます。日本で災害が発生した際の情報共有、現地の家族への連絡などの体制を整えている機関もあります。

安定的な人材供給能力

継続的に外国人の受け入れを検討している場合、機関が安定して人材を供給できるかを確認します。

送り出し機関に支払う費用について

送り出し機関を利用する場合、紹介料が発生します。

費用は送り出し機関によって様々ですが、特定技能外国人の年収の20%〜30%、あるいは固定額の手数料(例えば20万円から50万円)が、1名採用するごとにかかることが一般的です。

送り出し機関によっては、紹介料以外にも入国前の教育費用やその他費用が別途請求される場合もありますので、事前によく確認しましょう。

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知っておきたい二国間協定の目的と締結国について

送り出し機関に支払う費用について

二国間協定(特定技能に関する二国間の協力覚書)とは、日本と特定技能外国人を送り出す国々間の取り決めです。この協定は、特定技能外国人の円滑かつ、適正な送り出しと受け入れの確保と、特定技能外国人の保護を目的としております。

日本は2023年12月時点で16か国と取り交わしています。

特定技能外国人の円滑かつ、適正な送り出しと受け入れの確保

特定技能外国人のスムーズかつ適切な送り出しと受け入れを保証することにあります。外国人が日本で働く際には、さまざまな手続きが必要ですが、これらは日本と送り出し国で異なるものです。そのため、日本と送り出し国は、互いの必要条件を満たしつつ、効率的な出入国を可能にするために二国間協定を結びます。

特定技能外国人の保護の役目

特定技能外国人の保護という重要な役割も目的としております。特定技能制度が導入される以前、技能実習を通じた外国人労働者の受け入れが行われていましたが、不正な仲介業者による搾取や未払い賃金などの問題が頻発していました。これらの問題を防止するため、日本と送り出し国は規制を強化し、特定技能外国人が安定して働けるように二国間協定を設けています。

二国間協定締結国一覧

日本は2023年12月時点で16か国と取り交わしています。

  • 二国間協定締結国一覧
  • フィリピン
  • カンボジア
  • ネパール
  • ミャンマー
  • モンゴル
  • スリランカ
  • インドネシア
  • ベトナム
  • バングラデシュ
  • ウズベキスタン
  • パキスタン
  • タイ
  • インド
  • マレーシア
  • ラオス
  • キルギス

特徴的な手続きがある国もあるので注意

二国間協定を結んでいる国によっては、特有の手続きが要求されることがあります。例えば、在留資格認定証明書の交付申請(在留資格取得申請)の際に追加書類が必要になる場合や、送り出し国の政府による別の手続きが必要になることがあります。これらの詳細については、出入国在留管理庁の提供する情報を参照してください。

参考:出入国在留管理庁|特定技能に関する二国間の協力覚書

まとめ

特定技能制度は、受け入れ企業の人材不足の解消に有効な手段です。多様な文化、言語を持つ外国人労働者の受け入れは、外国客の集客や、海外展開の強化などのグローバル化にも期待できます。

しかし、特定技能外国人の受け入れは、国によって送り出し機関の指定や、独自のルールが存在しますので注意が必要です。

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