特定技能外国人を採用する流れ|必要な受け入れ費用についても解説!

外国人雇用
公開日:24.05.12/更新日:24.05.20
特定技能外国人を採用する流れ|必要な受け入れ費用についても解説!

「特定技能外国人を採用する方法や流れがわからない」「受け入れに必要な費用を知りたい」などの疑問やお悩みをお持ちの企業も多いのではないでしょうか。本記事では、特定技能外国人を採用するまでの流れと、必要な費用について詳しく紹介いたします。

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【概要】特定技能外国人の採用までにやることリスト

特定技能外国人を採用するまでには、以下6項目の実施が必要です。

  • 特定技能外国人採用の6項目
  • 受け入れ要件の確認
  • 特定技能外国人の募集・面接
  • 内定・雇用契約の締結
  • 支援計画の策定
  • 在留資格の申請
  • 就業開始

それぞれについて詳しく紹介いたします。

特定技能外国人を採用する流れ

特定技能外国人を採用する流れ

特定技能外国人を採用する際の流れは以下の通りです。実施事項や注意点も合わせて紹介します。

受け入れ要件の確認

特定技能制度では、「受け入れ企業の基準」「雇用契約の基準」「支援体制の基準」が定められており、企業はこれらの基準を満たさなければなりません。

受け入れ企業の基準

特定技能外国人を受け入れることができる産業分野は限定されており、事前に確認が必要です。特定技能1号で外国人を受け入れることができる産業分野は以下の12分野です。

  • 産業分野一覧
  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
  • 建設業
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備業
  • 航空業
  • 宿泊業
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業

特定技能2号で外国人を受け入れることができる産業分野は、「介護」を除く上記11分野です。また、特定技能雇用契約及び1号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令(以下「特定技能基準省令」)を満たすことが必要です。特定技能基準省令には、以下の内容が含まれています。

  • 特定技能基準省令の内容
  • 労働・社会保険・租税に関する法令の遵守
  • 非自発的離職者・行方不明者の未発生
  • 禁錮以上の刑に処せられた者や出入国管理法に違反し、罰金刑に処せられた者などの欠格事由に該当する行為をしないこと
  • 保証金や違約金等の契約をしないこと
  • 報酬を口座振り込みによって支払うこと
  • 直近1年以内に企業の理由での解雇(非自発的な離職)や行方不明者が発生していないこと

特定技能を受け入れることができる産業分野については、下記の記事にて詳しく解説しております。あわせてぜひご覧ください。

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雇用契約の基準

雇用契約を行う際には、特定技能基準省令で定められた「雇用関係に関する事項」と「外国人の適正な在留に必要な事項」の2つの基準を満たす必要があります。

雇用関係に関する事項は、以下の内容が含まれます。

  • 雇用関係に関する事項
  • 業務内容が、分野ごとに定められた業務に該当すること
  • 所定労働時間が、通常の労働者と同等であること
  • 報酬額が、同じ業務をする日本人と同等以上であること
  • 外国人であることを理由に、報酬の決定や福利厚生施設の利用などの待遇について、差別的な扱いをしないこと
  • 一時帰国を希望した際、休暇を取得させること
  • 派遣労働者として雇用する場合、派遣先や派遣期間が明確に定められていること(農業分野と漁業分野のみ)

外国人の適正な在留に必要な事項は、以下の内容が含まれます。

  • 外国人の適正な在留に必要な事項
  • 特定技能外国人が帰国費用を負担できない場合、受け入れ企業が負担する
  • 雇用契約終了後の出国が円滑に進むよう支援する
  • 特定技能外国人の健康状況や生活状況を把握する

支援体制の基準

特定技能外国人を受け入れる企業は、外国人が安定した職業生活、日常生活、及び社会生活を送れるように、以下の支援体制を整える必要があります。

  • 支援体制の基準
  • 支援責任者と支援担当者を選任する
  • 支援責任者と支援担当者の指導のもと、支援計画を実施する
  • 母国語での特定技能外国人への支援が実施できる体制を有する

自社で支援を実施する場合、「支援責任者」と「支援担当者」を選任する必要があります。受け入れ企業が過去2年間に外国人を受け入れた実績がある場合、職員の中から選任できます。実績がない場合は、過去2年間に外国人の生活相談業務に従事した経験者を雇用して選任します。

ただし、特定技能外国人と同じ部署の人や、特定技能外国人に指示を出せる立場の人(上司や役員)は、支援の中立性が保てないという観点から、担当者に選任できませんので注意が必要です。

特定技能外国人の募集・面接

特定技能の受け入れ要件を満たしていることを確認した後、特定技能外国人の募集・面接を行います。

外国人の募集方法には、人材紹介会社や登録支援機関への依頼、外国人採用に特化した求人広告メディアの利用、SNSを活用する方法などがあります。募集を通じて求職者が集まったら、対面またはオンライン(ウェブ)などで面接を実施します。

雇用契約を締結

特定技能の雇用契約書は、特定技能基準省令で定める基準に準じた内容で、内定者(外国人)が理解できる言語で作成する必要があります。出入国在留管理庁に各言語に対応した参考様式が公開されています。詳細はそちらをご確認ください。

参照:出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」第1-5号、第1-6号

参照:特定技能関係の申請・届出様式一覧 | 出入国在留管理庁

支援計画の策定

特定技能外国人を受け入れる企業は、支援計画書の作成および提出が求められます。支援計画には、支援責任者の氏名や役職、登録支援機関に委託する場合はその機関名を含む、以下の10項目を記載する必要があります。

支援の全体像については下記の記事にて詳しく解説しております。あわせてぜひご覧ください。

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1.事前ガイダンス

労働条件や活動内容、入国手続きなどを、対面またはテレビ電話で説明します。

事前ガイダンスについては下記の記事にて詳しく解説しております。あわせてぜひご覧ください。

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2.出入国時の送迎

入国時には空港から事業所や住居への送迎、帰国時には住居から空港の保安検査場までの送迎および同行します。

3.住居確保・生活に必要な契約支援

社宅の提供や住居探しの補助、銀行口座の開設や携帯電話・ライフラインの契約手続きの補助を行います。

住居確保については、下記の記事にて詳しく解説しております。あわせてぜひご覧ください。

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4.生活オリエンテーション

日本のルールやマナー、交通機関の利用方法、災害時の対応について説明します。

5.公的手続き等への同行

必要に応じて、住民票・税などの公的手続きの同行や書類作成の補助を行います。

6.日本語学習の機会の提供

日本語教室の紹介、手続きの補助、日本語学習教材の情報提供を行います。

7.相談・苦情への対応

職場や生活上での相談や苦情に対して、外国人が十分理解できる言語での対応、助言、指導を行います。

8.日本人との交流促進

地域住民との交流の場、地域の行事への案内や参加の補助を行います。

9.転職支援(企業理由での解雇の場合)

転職先探しの手伝いや推薦状の作成、求職活動のための有給休暇の付与、必要な行政手続きの情報提供を行います。

10.定期的な面談・行政機関への通報

支援担当者が3か月に1回以上の面談を実施し、労働基準法違反があれば通報します。

在留資格の申請を行う

雇用契約の締結と支援計画の策定が完了したら、必要な書類を用意し、特定技能の在留資格の申請を行います。必要な書類には、「外国人本人が用意する書類」と「受け入れ企業が用意する書類」があります。

外国人本人の必要書類一覧

外国人本人には以下の書類が求められます。

  • 外国人本人の必要書類一覧
  • 在留資格変更許可申請書(日本在住の外国人を採用する場合)
  • 在留資格認定証明書交付申請書(海外在住の外国人を採用する場合)
  • 顔写真(縦4cm×横3cm)
  • 特定技能外国人の報酬に関する説明書
  • 特定技能雇用契約書の写し
  • 雇用条件に関する書類の写し
  • 賃金の支払いに関する書類
  • 雇用の経緯に関する説明書
  • 徴収費用に関する説明書
  • 健康診断の結果(個人票)
  • 受診者の申告書
  • 1号特定技能外国人支援計画書

受け入れ企業の必要書類一覧

受け入れ企業には以下の書類が求められます。

  • 受け入れ企業の必要書類一覧
  • 特定技能所属機関概要書
  • 登記事項証明書
  • 業務執行に関わる役員の住民票の写し
  • 特定技能所属機関の役員に関する誓約書
  • 社会保険料納入状況回答票
  • 税務署納税証明書
  • 市町村納税証明書
  • 確定申告書・決算書の写し
  • 協議会入会証
  • 営業許可証
  • 労働保険料等納付証明書
  • 受入計画認定証の写し(建設分野の場合)

必要書類については下記の記事にて詳しく解説しております。あわせてぜひご覧ください。

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就業開始

在留資格の取得や変更が完了すると、特定技能外国人の就業を開始できます。就業後には、出入国在留管理庁に「特定技能外国人の就業状況に関する届出」が必要です。

特定技能外国人の採用後の届け出や手続きについて

特定技能外国人の採用後の届け出や手続きについて

特定技能外国人を雇用する企業は、雇用後に行うべき届出や手続きについての義務があります。この届出には、労働政策総合推進法に基づく外国人雇用状況届出と、出入国管理及び難民認定法(入管法)に基づく届出が含まれます。

外国人雇用状況届出

外国人労働者を雇用した際には、「外国人雇用状況届出」の提出が必要です。雇用開始後の翌月10日までに、この届出を提出します。提出は、管轄のハローワークや、e-Govの電子申請で行います。

参照:厚生労働省|「外国人雇用状況の届出」について 

四半期ごとに報告が義務付けられている書類

特定技能外国人を雇用した企業は、四半期ごとに以下の書類を提出する義務があります。

  • 四半期ごとに報告が義務付けられている書類一覧
  • 受入れ・活動状況に関する届出書
  • 特定技能外国人の受入れ状況と報酬の支払い状況に関する報告
  • 特定技能外国人の賃金台帳の写し
  • 特定技能外国人と比較対象の日本人の賃金台帳の写し
  • 支援実施状況に関する届出書
  • 1号特定技能外国人支援対象者名簿

変更事由発生時に報告が義務付けられている書類

特定技能外国人の雇用において登録情報に変更があった場合、変更があった日から14日以内に、地方入国管理局、または、その指定のあった場所へ随時届出を行う必要があります。

変更事由が発生した際に提出が必要な書類は以下の通りです。

  • 変更事由発生時に報告が義務付けられている書類一覧
  • 特定技能雇用契約変更届出書
  • 支援計画変更届出書
  • 支援委託契約変更届出書
  • 受け入れ困難届出書
  • 法令違反等届出書

特定技能外国人を採用する際に係る費用はどのくらい?

特定技能外国人を採用する際には、人材紹介手数料や送り出し機関への紹介手数料が発生する場合があります。

人材紹介の手数料は、人材紹介会社や登録支援機関を活用して採用を行う場合にかかる費用です。この費用は利用する機関によって異なり、一般的には採用する外国人1人あたりの年収の20〜30%、または一律で10万円から30万円が目安とされています。

送り出し機関への手数料は、海外に居住する特定技能外国人を日本に受け入れる際にかかる費用です。日本が送り出し国と「送り出し機関を通じてのみ受け入れる」という内容の二国間協定(MOC)を結んでいる場合、その定めに従って費用がかかります。

送り出し機関を必ず通さなければならない国には、フィリピン、ミャンマー、ベトナムなどがあります。費用は国によって異なりますが、一般的には10万円から60万円が目安となっています。

以下の記事で費用について詳しく紹介しておりますので、ぜひあわせてご覧ください。

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特定技能外国人を採用する際のよくある質問

特定技能外国人の採用に関してよくある質問をまとめました。

特定技能外国人の雇用形態はどうなりますか?

特定技能外国人の雇用形態は、原則フルタイム労働の直接雇用が基本となります。例外として、「農業」「漁業」の分野のみ派遣での受け入れが認められています。

特定技能外国人が満たすべき条件はありますか?

特定技能外国人の受け入れ条件は以下になります。

  • 特定技能外国人の受け入れ条件
  • 18歳以上であること
  • 健康状態が良好であること
  • 「特定技能1号」での在留期間が5年以内であること
  • 保証金の徴収をされていないこと
  • 必要な費用負担に関して外国人本人が合意していること
  • 外国人の送出し国で行うべき手続きが正しく履行されていること
  • 特定技能1号評価試験と日本語能力に関する試験に合格している、もしくは、労働する業種の技能実習2号を修了していること

どの国籍の外国人でも特定技能外国人として受け入れできますか?

受け入れに二国間取決めが必要ないため、基本的にはどの国籍の外国人も特定技能外国人として採用できます。

特定技能外国人にはどのくらいの給料を支払えばいいですか?

特定技能外国人の報酬額については、日本人が同等の業務に従事する場合の報酬額と同等以上であることが求められます。 会社に同等の業務に従事する日本人がいない場合、会社の賃金規定に基づいて判断します。

まとめ

特定技能外国人の採用は、日本人の採用とは流れが異なり、多くの手続きが必要です。また、外国人が理解できる言語で対応します。そのため、自社だけで特定技能外国人を採用するのは非常にハードルが高いです。

自社での対応が難しい場合には、国内の人材紹介会社への相談がおすすめです。受け入れまでのプロセスを効率化し、受け入れ業務の負担を軽減できるからです。

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特定技能をご検討中でしたら、ぜひお問い合わせください。

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